古今和歌集 0482 2021-02-23 19:41:51 | 古今和歌集 あふことは くもゐはるかに なるかみの おとにききつつ こひわたるかな 逢ふことは 雲居はるかに なる神の 音に聞きつつ 恋ひわたるかな 紀貫之 雲のかなたに距離を隔てていて会うことは叶わず、遠い空で鳴る雷のように遠くから噂だけを耳にして恋心をつのらせていることよ。 「なるかみ」は「鳴る神」で雷のこと。現代語で言えば遠距離恋愛を詠んだ歌ということでしょうけれど、平安の世ですから、遠く隔たった場所にいる愛しい人と実際に会える機会は本当に稀であったことでしょうね。