古今和歌集 0475 2021-02-16 19:38:21 | 古今和歌集 よのなかは かくこそありけれ ふくかぜの めにみぬひとも こひしかりけり 世の中は かくこそありけれ 吹く風の 目に見ぬ人も 恋しかりけり 紀貫之 世の中とはこのようなものだ。吹く風が音には聞こえても目に見えないように、噂を聞くだけで逢ったことはない人が恋しく思われることよ。 具体的な字句はありませんが、「風」の特性として目に見えないだけでなく音は聞こえるということも、愛しい人との関係を表す比喩になっています。(逢ったことはないけれど噂は聞いている、ということ。)