漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0464

2021-02-05 19:26:29 | 古今和歌集

はなごとに あかずちらしし かぜなれば いくそばくわが うしとかはおもふ

花ごとに あかず散らしし 風なれば いくそばくわが 憂しとかは思ふ

よみ人知らず

 どの花も満足に見ないうちに散らしてしまった風に、どれほど私が辛いと思ったことか。

 「いくそばく」は漢字では「幾十許」と書き、「どれぐらい数多く。どれほど。」の意。隠し題は大変わかりづらいですが、「いくそばくわが うしとかはおもふ」に詠み込まれた「はくわかう(百和香)」。デジタル大辞泉によると、百和香とは「練り香の一種。陰暦5月5日に百草を合わせて作ったという。ひゃくわこう。」とのこと。実際どんな香りなのか分かりませんが、言葉の響きが素敵ですね。 ^^