はなごとに あかずちらしし かぜなれば いくそばくわが うしとかはおもふ
花ごとに あかず散らしし 風なれば いくそばくわが 憂しとかは思ふ
よみ人知らず
どの花も満足に見ないうちに散らしてしまった風に、どれほど私が辛いと思ったことか。
「いくそばく」は漢字では「幾十許」と書き、「どれぐらい数多く。どれほど。」の意。隠し題は大変わかりづらいですが、「いくそばくわが うしとかはおもふ」に詠み込まれた「はくわかう(百和香)」。デジタル大辞泉によると、百和香とは「練り香の一種。陰暦5月5日に百草を合わせて作ったという。ひゃくわこう。」とのこと。実際どんな香りなのか分かりませんが、言葉の響きが素敵ですね。 ^^