はるがすみ なかしかよひぢ なかりせば あきくるかりは かへらざらまし
春霞 中し通ひ路 なかりせば 秋来る雁は 帰らざらまし
在原滋春
春霞の中に通り道がなければ、秋にやって来る雁は春が来ても帰ることはないだろうになあ。
秋にやって来る雁が春には帰って行ってしまうことを惜しむ気持ちでしょうか。その雁が帰るための道が春霞の中にあるのだという想像ですね。隠し題は「はるがすみ なかしかよひぢ」に詠み込まれた「すみながし(墨流し)」。墨流しとは、水面に墨や染料で描いた繊細な模様を和紙に写し取る技法で、染色法の一つとのこと。ちょっとイメージがわかなかったので、ウィキペディアから画像を拝借しました。
ああ、何か見たことあるな、という感じですね。^^