漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0484

2021-02-25 19:05:47 | 古今和歌集

ゆふぐれは くものはたてに ものぞおもふ あまつそらなる ひとをこふとて

夕暮れは 雲のはたてに ものぞ思ふ 天つ空なる 人をこふとて

 

よみ人知らず

 

 夕暮れは、雲の果てをみやって物を思う。天にいるかのように手の届かないあの人を恋い慕って。

 「天つ空なる人」は、物理的に遠距離にいる人か、あるいは高貴な身分で自分には接することのできない人のことでしょうか。いずれにしてもはるかに遠くて届かない状況を天に喩えて詠んだ切ない歌ですね。