漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0485

2021-02-26 20:05:36 | 古今和歌集

かりこもの おもひみだれて われこふと いもしるらめや ひとしつげずは

刈菰の 思ひ乱れて 我恋ふと 妹知るらめや 人しつげずは

 

よみ人知らず

 

 私が刈り取った菰のように思い乱れてあなたに恋焦がれていると、あなたは知っているだろうか。いや、知っているはずがない。誰かがあなたにそう告げるのでなければ。

 「刈菰の」は「乱る」に掛かる枕詞。刈り取った真菰がからみついて乱れやすいことからですね。恋焦がれる気持ちを相手に気づいてすらもらえない切ない思いです。身分の違う、高貴な人への恋情でしょうか。