きみまさば さむさもしらじ みよしのの よしののやまに ゆきはふるとも
君まさば 寒さも知らじ み吉野の 吉野の山に 雪は降るとも
あなたがいらっしゃれば、寒さも感じないでしょう。吉野の山に雪が降っても。
第一句の「まさ」は「ます(坐す/座す)」の連用形。吉野に雪が降る冬になってもあなたがいてくれたら寒さも感じない、というシンプルですが対象への深い思いを込めた詠歌ですね。
097 からの「貫之集 第二」はこれにて読み切り。
明日からは「第三」に収録された歌のご紹介となります。