漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 218

2023-11-20 05:22:13 | 貫之集

延喜の御時、内裏御屏風の歌、二十六首

元日鶯鳴くところ

あたらしく あくるとしをも ももとせの はるのはじめと うぐひすぞなく

新しく 明くる年をも 百年の 春のはじめと 鶯ぞ鳴く

 

延喜年間、宮中での屏風歌、二十六首

元日に鶯が鳴いているところ

新しく明けた年もまた、これから百年続く御代の始まりであるよと鶯が鳴いている

 

 今日から 366 まで、貫之集第三収録の歌ご紹介です。
 この歌は風雅和歌集(巻第二十「賀」 第2169番)に入集しています。そちらでは第二句が「明くる年をば」とされている他、貫之集でも写本によって「あることしをも」「あくることしを」となっているものもあり、複数の表現が伝わっているようです。