漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 208

2023-11-10 05:36:20 | 貫之集

ゆきやどる しらくもだにも かよはずは このやまざとは すみよからまし

雪宿る 白雲だにも 通はずは この山里は 住みよからまし

 

雪を含んだ白雲さえ行き来しなければ、この山里は住みやすいのになあ。

 

 「まし」は反実仮想ですから、実際は雪深くてその点で山里は住みにくい、ということになりますね。一方、「だに」とありますから、住みづらさを感じるのはその一点のみであって、総じて山里の暮らしは良いもの、という思いともとれるでしょうか。