漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 214

2023-11-16 05:44:04 | 貫之集

つなでとき いまはとふねを こぎいでば われはなみぢを こえやわたらむ

綱手解き いまはと舟を 漕ぎ出でば われは波路を 越えやわたらむ

 

綱手を解き、いまこそはと舟を漕ぎ出たならば、私は波路を越え続けていくことになるのであろう。

 

 「綱手」は舟に付けて引く綱のことで、陸から舟を引いたり、大船が小舟を曳航するときなどに使います。旅立ちの決意を詠んだ歌というところでしょうか。