漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 293

2024-02-03 04:49:22 | 貫之集

ちることも いろさへともに もみぢばは ももとせふれど かはらざりけり

散ることも 色さへともに もみぢ葉は 百年ふれど かはらざりけり

 

美しく色づいては散って行くもみじ葉のうつろいは、百年の時を経ても変わることはない。

 

 毎年葉をつけ、それが色づいては散っていくかわらない営みを詠んだ歌ですが、歌人の心にはそれとうらはらに変化してやまない世のうつろいや、あるいは自身の老いといった「変わり続けて戻らない」ものが去来しているのでしょうか。