漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 299

2024-02-09 05:37:54 | 貫之集

うぐひすの きゐつつなけば はるさめに このめさへこそ ぬれてみえけれ

鶯の 来ゐつつ鳴けば 春雨に 木の芽さへこそ ぬれて見えけれ

 

鶯がやって来て鳴く。春雨に木の芽までもが美しく濡れて見えるよ。

 

 作者の心情は直接はどこにも表現されていない、叙景歌というべき一首でしょうか。貫之歌には珍しい部類かもしれません。