漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 307

2024-02-17 05:49:53 | 貫之集

やまざとに つくれるやどは ちかけれど くもゐとのみぞ なりぬべらなる

山里は つくれる宿は 近けれど 雲居とのみぞ なりぬべらなる

 

山里にこしらえた庵はさほど遠いというわけではないけれど、雲居のように遠ざかっていく感じばかりがすることよ。

 

 山里の家が実際はそんなに遠いわけではないのに遠く感じる、ということですが、304 からここまでの歌に付された詞書が「恋」であることを考えると、そこはかなわぬ恋の相手の住む場所なのでしょうか。