漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 313

2024-02-23 05:48:14 | 貫之集

ゆきふれば うときものなく くさもきも ひとつゆかりに なりぬべらなり

雪降れば うときものなく 草も木も ひとつゆかりに なりぬべらなり

 

雪が降ると、一面に白くなって、草も木もひとつにつながってしまったかのようであるよ。

 

 「草も木も」は貫之が好んだフレーズの一つのようで、貫之集に本歌を含めて十首、他に古今集にも一首採録されています。古今集歌は内容的にも本歌に似ていますね。

 

ゆきふれば ふゆごもりせる くさもきも はるにしられぬ はなぞさきける

雪降れば 冬ごもりせる 草も木も 春に知られぬ 花ぞ咲きける

古今和歌集 巻第六「冬歌」 第323番