ゆきふれば うときものなく くさもきも ひとつゆかりに なりぬべらなり
雪降れば うときものなく 草も木も ひとつゆかりに なりぬべらなり
雪が降ると、一面に白くなって、草も木もひとつにつながってしまったかのようであるよ。
「草も木も」は貫之が好んだフレーズの一つのようで、貫之集に本歌を含めて十首、他に古今集にも一首採録されています。古今集歌は内容的にも本歌に似ていますね。
ゆきふれば ふゆごもりせる くさもきも はるにしられぬ はなぞさきける
雪降れば 冬ごもりせる 草も木も 春に知られぬ 花ぞ咲きける