漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 355

2024-04-05 05:20:07 | 貫之集

人の家に桜の花おほかり

ことさとも みなはるなれど わがやどの さくらにまさる はなやなからむ

こと里も みな春なれど わが宿の 桜にまさる 花やなからむ

 

人の家にたくさんの桜の花が咲いている

他の里もどこも春であるけれど、私の家の桜にまさる花はないであろう。

 

 詞書は「人の家」と第三者の目での記載ですが、歌は宿主の立場で詠んでいますね。自宅の庭に咲く自慢の桜というところでしょうか。