漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 357

2024-04-07 06:46:22 | 貫之集

道行く人馬に乗りて、鞭して月をさして見る

てるつきを みざらましかば むばたまの よるはものべも ゆかずぞあらまし

照る月を 見ざらましかば むば玉の 夜はものべも 行かずぞあらまし

 

道行く人が馬に乗って、鞭で月の方を指し示して見ている

照る月を見なかったならば、暗い夜にはどこにもでかけなかったであろうなあ。

 

 「むば玉の」は「夜」に掛かる枕詞。ここでは「暗い」意を強調する意味もあるのでしょう。