漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 379

2024-04-29 05:35:10 | 貫之集

家に、女月を見る

おもふこと ありとはなしに ひさかたの つきよとなれば いこそねられね

思ふこと ありとはなしに 久方の 月夜となれば いこそ寝られね

 

家で、女が月を見ている

もの思いしているというわけではないが、月夜となるとその美しさになかなか寝られない。

 

 「久方の」は「月」にかかる枕詞。
 この歌は拾遺和歌集(巻第八「雑上」 第433番)に入集していますが、そちらでは第五句は「寝られざりけり」とされています。