人の家の簾のもとに女出でゐたるに、垣のもとに男立ちてものいひ入る。垣の面に薄おひたり
いでてとふ ひとのなきかな はなすすき わればかりかと まねくなりけり
出でてとふ 人のなきかな 花薄 わればかりかと 招くなりけり
人の家の簾のもとに女が出てきていたところ、垣根のところに男が立ち、ものを言いながら入って来る。垣根の表面には薄が生えている。
中から出て来て、声を掛けてくれる人もいないのであるな。花薄が私だけを招いてくれているかのように見えたのに。
花薄が自分を招いているかのように見えたという歌は 023 にもありました。
形状からはもちろん、その家に思いを寄せる異性が住んでいるとなれば、そんな風に感じられるのも無理もないですね ^^
(写真は「季節の花 300」https://www.hana300.com/ からお借りしました)