漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 555

2024-10-22 06:23:04 | 貫之集

ながきよを おもひあかして あさつゆの おきてしくれば そでぞひちぬる

長き夜を 思ひ明かして 朝露の おきてし来れば 袖ぞひちぬる

 

長い夜を物思いで明かし、露の置く朝に起きてきたので、袖がすっかり濡れてしまったよ。

 

 第四句「おき」は「(朝露が)置き」と「(自分が)起き」との掛詞になっています。袖が濡れたのは露に触れたためのみならず、物思いに涙したためでもあるのでしょう。