漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

覚えられない四字熟語

2016-08-14 10:55:13 | 演習問題
 1週間の夏休みも今日で終わり。何十年と働いていても、こんな日はやはり多少鬱な気分になりますね。 ^^;

 さて、きょうは四字熟語の書き取り問題を少々。ごく基本的と思われるものから、まず出題されないだろうと思われるものまでさまざまですが、共通項は「何度復讐しても私の記憶に定着しない熟語」です。必ずしも覚えづらいとも思えないものも含まれているのですが、ホント人間の記憶というのは不思議なものです。

 なお、本試験での出題形式に関わらず、四字熟語は四文字すべて書けるようにしておくと良いと思います。なので、全体の読みから四文字すべてを書いてみてください。個人的には、常用漢字など簡単な方の二文字(従って、ほとんど出題はされないですが・・)の方がむしろ思い出せなかったりします。字面だけ追いかけて、熟語全体の意味をきちんと理解・掌握していない証拠ですね。(汗)



1.  かけいずいけい
2.  ひつろらんる
3.  えんまんりゅうらん
4.  そうしゅれんい
5.  さいほばくろう

1.  【嫁鶏随鶏】  (「漢検四字熟語辞典」P.124)
 妻が夫に従うことのたとえ。
 「鶏」が重なっていますから、まず書き取りで出題されることはないと思いますが、出題形式が変わりましたから意味に合う熟語の読みを問う「問2」では出されるかもしれませんね。個人的には最初の一文字をつい「家」と書いてしまいます。意味をちゃんと考えれば分かるはずなんですけれど・・・。
2.  【篳路藍縷】  (401)
 たいへん苦労をして働くこと。
 前後どちらを出されても結構迷ってしまいそうです。
3.  【衍曼流爛】  (110)
 悪が広くはびこり、世の中全体に広がっていくこと。
 「衍曼」を、「まんえん  蔓延/蔓衍」と混同してしまってよく間違えます。
4.  【簇酒斂衣】  (308)
 貧しい生活のたとえ。
5.  【菜圃麦隴】  (217)
 水をたたえずに、野菜や穀類を栽培する農耕地。畑のこと。
 

6.  とんこうごりょう
7.  ほうしんきゅうか
8.  ちんさいのやく
9.  しゃしょくのまもり
10.  りょうしょうのこころざし

6.  【敦煌五竜】  (371)
 晋代に敦煌の人で太学(朝廷の大学)で名声のあった五人の称。
 四字熟語として出題されるとは思えませんし、「敦煌」は地名ですから書き取りでも出題はされづらいでしょうけれど、地名としては「超有名銘柄」の類でしょうから1級ホルダーとしては「書ける自分でありたい」という感じです。にもかかわらず、なぜかなかなか覚えられません・・・(泣)
7.  【抱薪救火】  (433)
 害を除こうとしてかえってその害を大きくしてしまうこと。
 薪を抱いたまま火の中に入っていく・・・想像しただけで恐ろしいですね。^^;
8.  【陳蔡之厄】  (343)
 旅の途中で災難にあうたとえ。
 出題されるとしたら(八)の「故事・諺」問題としてでしょうか。国名だからそれもないかな?
9.  【社稷之守】  (243)
 国家の守りとなる臣。
 何度も過去問にも出ている【社稷】ですが、どうも「稷」の字がいけません。なんでかなぁ・・
10.  【凌霄之志】  (471)
 俗世間を遠く超越したいと願う高尚なこころざし。
 「料峭」と混同するのか、つい「霄」を「峭」と書いてしまいます。


11.  かりょうびんが
12.  なんかくらんすい
13.  ひはつさじん
14.  しゅうけんぼうじょ
15.  じゅんようじかい

11.  【迦陵頻伽】  (132)
 声が美しいもののたとえ。
 読みが実に印象的な語ですね。そういえば昔、「上田知華+KARYOBIN」というバンドがいました。ピアノ+ボーカル+弦楽四重奏という珍しい構成で、こちらも実に印象的なグループでしたね。上田知華さんは今もシンガーとしてもソングライターとしてもご活躍のようです。
12.  【南郭濫吹】  (372)
 無能な者が才能があるように見せかけて、よい地位を占めること。
 「らんすい」の方を書かせる問題として、26-3 で出題されました。3級配当。 
13.  【被髪左袵】  (401)
 野蛮な風俗のこと。
 どうも許容自体の方の「衽」だけがいつも頭に浮かんできます。許容自体ですから本試験でも誤答とされるわけでもなく、まあいいと言えばいいんですけれど・・・
14.  【衆賢茅茹】  (245)
 多くの賢人が協力し合うこと。
 いつも「茹」のくさかんむりを忘れます。
15.  【遵養時晦】  (「漢検 漢字辞典」初版 P.717/第二版 P.723)
 時世が悪いときは世に出ようとせず、道にしたがって志を養い、好機がおとずれるのを待つこと。
 「四字熟語辞典」にはない語。「じゅんよう」も「じかい」も、ちょっとその場の推定では出づらいですねぇ・・


16.  まじゅうせんかく
17.  かそうさいり
18.  いんこうゆうひ
19.  しゅんいんしゅうだ
20.  さいそうしんすい

16.  【磨揉遷革】  (「漢検 漢字辞典」初版 P.1422/第二版 P.1437)
 人をよい方向に教え導くこと。
 これも「四字熟語辞典」にはなく「漢検 漢字辞典」だけに収録の語。「揉」が1級配当ですから、そのうち出るんじゃないかなぁ・・
17.  【禍棗災梨】  (-)
 無用の本を刊行すること。
 ここからの4つは「四字熟語辞典」にも「漢字辞典」にもないけれど出題されたことのある過去問です。この「禍棗災梨」は 26-2 での出題。個人的には「梨」が出てきません。ただ出題されるのは前回同様「禍棗」の方でしょう。
18.  【咽喉右臂】  (-)
 きわめて緊要の地。
 かなり古くて、13-1 の過去問。「のど」も「みぎうで」も重要な場所、ということでしょう。「漢検 漢字辞典」の【咽喉】の項には、「要地」との意味も記載されています。
19.  【春蚓秋蛇】  (-)
 春のミミズや秋のヘビのように、字も行も、うねうねと曲がりくねっていること。字がへたなことのたとえ。
 さらに古い 12-2 の過去問で、「春蚓」の方を書かせる出題でした。熟語そのものを知らなかった場合、「秋蛇」との対ですから「春」は出てくるとして、「蛇」に対して「蚓」が浮かぶかどうかというところ。 
20.  【洒掃薪水】  (-)
 掃除や炊事をするという日常の家事のこと。
 こちらは 14-1 での出題。こうして見ると、かつては「四字熟語辞典」にない語の出題が今よりも頻繁だった印象ですね。



 出来栄えの方はいかがだったでしょうか?
 引き続き頑張ってまいりましょう!



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2 コメント

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こんばんは (月に惟う)
2016-08-17 00:19:32
ご無沙汰しております。
オリンピックを見て、つくづく努力することの素晴らしさを感じているこの頃。彼らの努力に比べるべくもないですが、少しでも近づきたいと思い、今夜も孤独な闘いです。

取り組んでみたところ、1と6と8がわかりませんでした。「磨揉遷革」は四字熟語辞典に書き込んでいて、個人的にはすっかり馴染みのある言葉となりました。もうそろそろ出題されることを期待してます。良い意味の言葉でもありますし。

私も毎回悩まされる言葉が多々あり、それらを完璧にできれば相当な自信に繋がるのでしょうが、なかなか記憶に定着してくれません。自己嫌悪に陥ることもしばしば。苦手を感じなくなるほど繰り返し学習したり、記憶に残るエピソードを無理やり作るしかないようですね。地道に頑張ります!
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忘却と自己嫌悪との戦い (凛太郎)
2016-08-17 12:35:02
月に惟う さま

こんにちは。いつもご来訪ありがとうございます。

漢検に限りませんけれど、社会人になってからの勉強は本当に孤独かつ自分との戦いですね。入試などと違って人に勝つ必要はありませんから尚更です。そんなことを思いながら、忘却と自己嫌悪になんとか抗おうとする今日この頃です。

ともに頑張って参りましょう!
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