漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 287

2024-01-28 05:29:33 | 貫之集

あひだなく よするかはなみ たちかへり いのりてもなほ あかずぞありける

あひだなく 寄する川波 立ちかへり 祈りてもなほ あかずぞありける

 

絶え間なく寄せて来る川波が立つように、繰り返し祈ってもなお、十分でない思いがするのであったよ。

 

 次の 288 に「秋」との詞書がありますので、この歌は夏の最後、六月祓(みなづきばらへ)を詠んだものでしょう。自身の穢(けが)れを移した形代を川に流して祈る行事ですね。



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