今年、最も楽しみにしていた美術展です。会期の終わりが近づくなか、ようやく行くことが出来ました。
金曜日の夜間延長の時間帯は、モディリアニもルノアールも、それからハプスブルクの時もかなり空いていて、これはひそかに狙い目かと思っていたのですが、さすがにオルセーは違いました。
私は、混雑した会場では多くの方がそうされるように、絵の前に横に行列を作って並ぶ(そして隣の人が動いたら、その分だけ自分も横に動く)観方が苦手です。それはあくまでも自分のペースで、観るものは観て、観ないものはすっ飛ばすということがやりたいからで、特に今回のように絵の前に何層にも人が並んでいる状態では、全く自分のペースが掴めません。
一緒に行った同期の友人は、学生時代にパリでオルセーに行ったことがあるそうで、会場のあまりの混雑ぶりに怖れをなす私と同意見、すなわち、さっさと観て食事に行こうということで意見が一致しました。
とは言え、私にとっては、出張で何度も近くに行きながら結局一度も訪れることが出来なかったオルセーから、選りに選った夢のような作品の数々。そんなにさっさと片付けられるものではありません。挙げれば限りがありませんが、人混みをかき分けて何度もリピートして観に行ったのがこの2点。(画像は国立新美術館のサイトからお借りしてきました。)
なぜ?とか、どこが?とか、そんなことは取っ払った、あくまでも感性としての好みでしかありませんし、また何年か後に観たら、もっと他の絵が気に入るかも知れません。しかし、それはそれ。一期一会を堪能しました。
次の再会まで、この図録に付き合って貰いましょうかね
オルセー美術館展2010
国立新美術館
2010年5月26日~8月16日
20時まで延長しているので、ぎりぎりまで粘ろうと思ったのですが、有名な絵の前は人だかりですが、知られていない絵の前は閑散としているという事態を見せつけられると、複雑なものがあり(別に人は人なのですが)、さっさと引き上げました。予定では西麻布のバーに行って、展覧会の余韻に浸ることになっていたのですが、メトロに乗って一旦退却です。
ただし、ゴーギャンとルソーについては実物を目の前にして、震えが来たことを告白します。
それでも、やはり実物を前にすると、足が震えますね。
私もゴッホとゴーギャンの部屋は、一番長く居たような気がします。
因みに私たちは、六本木で軽く食事をして、バーに行きました。
ここでもまたとびきりの一期一会があったのですが、
そのことはまた別の機会に
モローは魚花好みだと思います。
しかし、ゴッホの夜景となると、少し
コメントを期待したくなります。
文泉
私はニューヨークの近代美術館にある「星月夜」はまだ一度も実物を観たことがないのですが、
あの絵のようにうねり、渦を巻き、悶えるような空ではなく、
静かな星の光を湛えたこのオルセーの夜景を観ているると、ゴッホが、
追い詰められた精神状態のなかで、自分でも取り払うことの出来ない不安の中にも、
どこか安らぎを求めていたことの表われのような気がします。
ひょっとしたらそれは、ゴッホにもそのくらいの救いはあってもよかったのでは?という
私個人の極めて勝手な思いが影響しているかも知れません。
私はゴッホを観ると何故かよくムンクのことを思い起こすのですが、
ゴッホのこの静謐な星空からは、ムンクが聞いた「叫び」は聞こえてこない気がします。
ただ不安そのものを描くのではなく、その先にもっと
希望に似た光を見ていた、
それは躁と鬱のサイクルの一つに過ぎないかもしれませんが、
それでもそれはゴッホのその時の精神状態。
こういう静かな絵があってもいいような気がするのです。
検索していて こちらへ漂着しました
こんにちは
ブログを拝読していると
展覧会の記事があちこちに
魚花さんの美への洞察 感じ入りました
マネの描くモリゾは 確かに魅惑的
モリゾ自身の絵も 感覚的叙情的で好きです
東京には いい作品が集まり 羨ましい限り。。
ユトリロは 京都のえき美術館に来るので
楽しみに待っています またお邪魔します~☆
私は、あちこち絵を観に行ってはいますが、
専門的な知識もなく、単なる素人の感想を
並べているだけなので、お言葉甚だ恐縮です。
ユトリロは、学生の頃はあれほど好きだったのに、
今回はちょっと距離を感じてしまいました。
何事にも一期一会というものがあるのかも、と
最近そう思います。
ブログ拝見しました。とても綺麗な写真ですね。
私などコンパクトデジカメすら使いこなせない人間から見ると、
デジタル一眼のマクロ撮影とはまさに神業。
こちらこそまた楽しみに覗かせて頂きます。