E・C・R・ロラックの Checkmate to Murder(1944年)読了(邦題『死のチェックメイト』)。
大戦中で灯火管制が敷かれたロンドン。夜も更けて、とあるスタジオには画家とモデルがイーゼルを挟んで制作中。そして傍らではその友人たちがチェスに興じている。
そこへ慌てた警官がやって来て、隣家の老人が殺されたと言う。守銭奴でケチと噂のその老人は自身の銃で撃たれ、毎晩数えるのが日課だったという現ナマは全てなくなっていた。
捜査に当たるのはスコットランド・ヤードのCID(犯罪捜査課)マクドナルド警部。点と点、そして点から線へと辿る推理から導き出される真相は果たして・・・
ロラック(Lorac)というのは珍しい名前だなぁと思ったら、本名(Edith Caroline Rivett)の "Carol" を逆さに読んだものだそう。アガサ・クリスティと同時代の女流作家で、私は今回初めて読んだのだが、情景や人物の描写が丹念すぎることもなく、けれどプロットはなかなかに凝っていて、謎解きの楽しさを味わえる。
ロラック、少し続きます。
E. C. R. Lorac,
Checkmate to Murder
(Kindle)
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