徒に無駄遣いは良くないと思うが、安物買いのナントカということもある。
うちのピアノ(アップライト)には元々、広幅のベンチタイプの椅子が付いていた。それは高さが変えられないタイプの椅子で、考えてみれば子供の頃から今に至るまでずっとその高さの椅子で弾いていたのがどうなのよ?なのだが、ちょうど1年前、高さが変えられる椅子を買ってみた。弾きやすい高さを試してみると、なるほど今までの椅子の高さは低すぎで、少し高くすると随分腕が楽な気がする。
それで1年くらい弾いていたが、構造上仕方ないとはいえ、しばらくすると軋みやぐらつき、特に「ギシッ」「ミシッ」という音が気になってきた。勿論、あちこち締めるところを締めても変わらない。これは楽器をやる人なら誰しも同じだと思うが、音の響きに耳を澄ましている時に不用意に「ギシッ」と音がするほど生理的に嫌なものはない。
実はそういう話や人のレビューも見ていたのだが、とりあえず高さが変えられればいいやと買ったその椅子は、やはりそれ相応の出来だった。で、当時から気になっていた本命の椅子を、ついに迎えることにした。それがこの Hidrau(イドラウ)。
ギシッの椅子に比べると諭吉さんの乗員数換算で単車とミニバンほど違うのだが、結論から言うとその価値は絶大。まず、軋みやぐらつきは皆無。オフィスチェアと同じようにガス圧で上下する座面は、動きもスムースでピタッと決まる。加えて、座面が気持ち、前に傾斜しているのだが、座るとそうと感じないくらいの微妙な塩梅で、座るだけで腰が決まる。
遅ればせながら、椅子って大事なんですね、というお話。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます