小学校の音楽の授業で、「バッハは音楽の父、ヘンデルは音楽の母」と教えられて、ヘンデルが女性だと思っていたのは恐らく私だけではないと思うのですが、そんな私が「一番好きな作曲家は?」と聞かれたら、迷わずバッハを挙げます。
その膨大な作品のうち、私が知っているのはその裾野の一角に過ぎませんが、なかでもブランデンブルク協奏曲は好きな作品の一つです。全6曲からなる室内楽曲ですが、それぞれに異なる独奏楽器が縦横無尽に活躍します。面白いことに6曲とも長調で、平たく言えば、いずれも華やかで明るい楽曲です。
今日の午前中は、前日のコーティングがまだ乾ききっておらずロッドビルドの作業は中断でしたので、暇に飽かせて、手持ちのブランデンブルク協奏曲のディスクを書き抜いてみました。圧倒的にLPレコードが多いのですが、演奏家と主な独奏者を併せて書いておきます。(○は現代楽器、●は古楽器による演奏です。)
【LP】
○クルト・レーデル(指揮、フルート)、ミュンヘン・プロ・アルテ
○ジェルジ・マクシミウク指揮、ポーランド室内管弦楽団
フィリップ・ピケット(フルート)
ギィ・トゥーヴロン(トランペット)
●グスタフ・レオンハルト(指揮、チェンバロ)
フランス・ブリュッヘン(フルートトラヴェルソ、リコーダー)
シギスヴァルト・クイケン(ヴァイオリン)
アンナ・ビルスマ、ヴィーラント・クイケン(チェロ)
○カール・リヒター(指揮、チェンバロ)、ミュンヘン・バッハ管弦楽団
オーレル・ニコレ(フルート)
ピエール・ティボー(トランペット)
ハンス=マルティン・リンデ、ギュンター・ヘラー(リコーダー)
ヘルマン・バウマン(ホルン)
●トン・コープマン(指揮、チェンバロ)、アムステルダム・バロック管弦楽団
●ハンス=マルティン・リンデ(指揮、フルートトラベルソ、リコーダー)、リンデ・コンソート
○ネヴィル・マリナー指揮、アカデミー管弦楽団
ウィリアム・ベネット(フルート)
フィリップ・ピケット(リコーダー)
●コレギウム・アウレウム合奏団
グスタフ・レオンハルト(チェンバロ)
ハンス=マルティン・リンデ(フルート・トラベルソ、リコーダー)
ギュンター・ヘラー(リコーダー)
【CD】
○ヘルムート・ヴィンシャーマン指揮、ドイツ・バッハ・ゾリステン
パウル・マイゼン(フルート)
○イ・ムジチ合奏団
セヴェリーノ・ガッゼローニ(フルート)
ハインツ・ホリガー(オーボエ)
●イル・ジャルディーノ・アルモニコ
ジョバンニ・アントニーニ(フルートトラベルソ、リコーダー)
【DVD】
○カール・リヒター(指揮、チェンバロ)、ミュンヘン・バッハ管弦楽団
パウル・マイゼン(フルート)
ピエール・ティボー(トランペット)
ハンス=マルティン・リンデ、ギュンター・ヘラー(リコーダー)
というように、数えてみるといつの間にか全部で12種類もありました。クラシック音楽に興味のない方にすれば、全く面白くもない文字の羅列になってしまったかも知れませんが、私にしてみれば、このそれぞれのディスクに聴きどころがあって、休みの日にこのどれを聴こうかと考えるだけで、癒される気分になります。
ですが、まぁ置場にも制約がありますし、新しいディスクはもうあまり買わない私ですが、昨日はどうしても欲しくなって、ネットでポチッとやってしまいました。届いたのが冒頭の写真のCD。栄えある13番目のブランデンブルク協奏曲は、バッハ・コレギウム・ジャパンという日本の古楽器演奏家集団による録音です。
つい先日、テレビでこの楽団のコンサートの模様が放送されていたのですが、そこで演奏されていたバッハの管弦楽組曲の演奏が素晴らしかったので、これは是非同じメンバーによるブランデンブルク協奏曲が聴いてみたいと思ったのでした。
実際にCDを聴いてみて、改めてその演奏水準の高さに驚きました。私が買ったのは逆輸入盤ですが、世界のマーケットで十分に戦える、素晴らしいCDだと思います。同時に、バッハが、しかも古楽器を使って、日本人によって演奏されていることを誇りに思います。録音されたのは2000年ですが、今のいままで知らなかった自分の凡眼にほとほと嫌気がさします。
今朝の11時頃に届いてからずっと流しっぱなしですが、古楽器演奏特有の「ゆらぎ」、音の立ち上がりの滑らかさ、ヴィヴラートを抑えた音の伸ばし、どこをとっても間然するところがありません。鈴木雅明のチェンバロ、寺神戸亮のヴァイオリンが素晴らしいのは勿論、第2番で活躍する島田俊雄のトランペットがまた味があります。
この第2番のトランペットは、高音域の華やかなソロが聴きどころですが、ライナーノートによるとこのCDでは、通常使われるバロック・トランペット(現代のトランペットのようなピストンがなく、管に空いた穴を指で押さえて演奏する)ではなく、ホルンのような渦巻き状の楽器を使い、唇によって音程の操作を行う方法を取っています。(当然、奏法としてはこちらの方が難しい。)
厳しいことを言えば、聴いていて安心出来るのは現代楽器による演奏ですが、あえてこういう難しい奏法にチャレンジしていることは素晴らしいと思いますし、その試み、熱意といったものが十分に伝わってくる演奏です。
ともかく、これは良いCDに巡り合いました。当分CDは買わなくても良さそうです
この週末、テレビでバッハの若い頃ゆかりの地を訪ねる番組があって、
生家のあるアイゼナハが映っていました。
ドイツは出張で北の方しか行ったことがありませんが、
いずれはチューリンゲン地方をぐるっと回ってみたいですね。
茂木健一郎さんがクオリア日記というブログでバッハの生家を訪ねています。
よろしかったら是非ご覧になってください。又 違った音色で聴こえてくるかも('-^*)/