
以前も書いたように私は体質的にあまりお酒が強くありませんが、お酒を飲むことは好きな方です。ですが飲むのは大抵家の外で、家にお酒は殆ど置いていません。しかし、翌日を気にしなくてもよい週末は、たまに口が寂しくなって、家でお酒を飲むことがあります。
昨日もたまたま夕食の後にちょっと飲みたくなって、戸棚の奥からごそごそ引っ張り出してきました。シングルモルトの「ダルユーイン」。スコットランドのUD社(ユナイテッド・ディスティラリーズ社)が出したレア・モルト・セレクションの中の1本で、加水されていない原酒(アルコール度数60.92%)。蒸留は1973年、瓶詰めは明記されていませんが、22年熟成の逸品です。
これを買ったのは確かパリの空港で、今から5~6年前でしょうか。別に日本でも買えるものでしたが、慌しい出張が終わって自分へのご褒美として、当時のレートでは日本で買うより少しは安いからと買ったような気がします。封を切ったのは今年になってからで、それまでずっと戸棚の肥やしになっていました。
飲み方はいつもストレートで、友人がくれたお気に入りのテイスティング・グラスでチビチビやるのが楽しみでした。ですが、何せアルコール度数が高いので、飲んでいるうちにその刺激で唇がピリピリしてきます。そんな訳で私は、シングルモルト呑みからすれば甚だしく掟破りなのでしょうが、いつかこれで好きなハイボール(ソーダ割)を作ってやろうと企んでいました。
これを割って飲むこと自体はある意味許されるようでして、ボトルの裏のラベルにも「室温でウィスキー1に対して水を2加えるのがベスト」と書いてあります。

そんな訳で昨晩これでハイボールを作ってみたのですが、これがまた何とも美味。全てのシングルモルトがハイボールにして美味いという訳ではないと思うのですが、これに限って言えば(あくまでも私の個人的な感想ですが)ソーダで味がまろやかになり、かつベースのモルトの味と香りは力強く残っていて、とてもバランスの良い味がします。
その理由は恐らく、このモルトが元々ブレンド用の原酒として造られたもので、アイラのようにクセと主張が強くなく、どちらかと言うと中庸を行くお酒であることと関係していると思います。それでいて香りはしっかりと華やかで、ソーダで割ってもそのバランスが崩れません。もっと早くに試していれば良かったと思うことしきりでした。
因みに上のラベルに「ダルユーイン」の謂れが書いてありますが、ゲール語で「緑の谷」("vale"は"valley"の詩語)という意味だそうです。スペイ川の中流、恐らくは緑豊かな谷があるのでしょう。一度でいいから訪ねてみたい、飲みながらそんな風に思います。勿論、これまたお気に入りのスキットルにスコッチを入れて・・・いつかそんな日が来るといいなぁと思うのでした

魚花さんの記事読むと、気持ちがグラグラ揺さぶられて…。
なんつー文才!
ウイスキーって、だいたい40度ぐらいですが、
常温で水と1:1で割ると、明らかに香りや甘さが拡がりますね。
件のウィスキーは、60度で水を2で割れと…。
「ウイスキーって、20度ぐらいが美味しい」の法則がありそうですね(笑)。
トラバ、感謝です。<m(__)m>
単なる食いしんぼう&呑み助です(笑)
20度の法則っていうのはあるらしく、その度数が
ウィスキーの香りが最も鮮やかに出るそうです。
ロックにして味が少しずつ変化するのを楽しむのも
好きですけどねぇ。
今日もハイボール飲みたくなってきました