E. S. ガードナー(A. A. フェア)の Fools Die on Friday(1947年)読了(邦題『馬鹿者は金曜日に死ぬ 』)。
Cool & Lam シリーズの第11作。依頼人はビアトリースという若い女性。叔父のボールウィンがその妻ダフネに毒殺される可能性があるからそれを防いでほしいと言う。
謎めいたその依頼人が去った後、ともあれラム君がボールウィン家を訪れると、そのダフネの秘書が当の依頼人、ビアトリースだった。
驚くビアトリース(実は偽名)をよそに、ラム君はダフネにアンチョビ・ペーストの宣伝写真を撮らせてほしいと持ち掛け、試食用にと大量のアンチョビ・ペーストを置いて帰る。すると程なくボールウィン夫妻が本当に毒を盛られてしまうのだが、二人が最後に口にしたのは、ラム君が持ち込んだアンチョビ・ペーストだった・・・
今回は特に登場人物が個性的。ラム君が尾行を依頼するプロの探偵は、ペリー・メイスンの相棒ポール・ドレイクそっくりだし、競馬好きの半端者を装っているが実はキレ者のカール・キートリー(タイトルの「馬鹿者は金曜日に死ぬ」も彼の台詞)に、お馴染みのセラーズ巡査部長やバーサ女史も加わって、まぁ賑やかなこと。
ラム君の巧妙な謎解きと、爽快感すらあるクライマックスは毎度のことで、いつもながら読み終わるとふーうっと息を吐きたくなる。もちろん、良い意味で。
A. A. Fair, a.k.a. E. S. Gardner,
Fools Die on Friday
(Kindle)
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