ウロコ模様、8軸シェブロンの飾り巻き。
どこかに書いたかも知れないが、そのきっかけは、もう20年近くも前、「サンスイ」の店頭で「フィッシャーマン」のGTロッドに施された飾り巻きを見たことだった。今はどうか分からないが、当時はこの巻き方を解説している本やサイトもなく、売り場のロッドの前にしゃがみ込んで、どうやったらこうなるんだろう???とひたすら観察していた。ある時ようやく閃いて、家でやってみてウロコ模様ができあがった時の嬉しかったこと・・・。
前置きが長くなったが、この8軸シェブロンを含め飾り巻きの解説をいくつか載せていたホームページが、サービス終了までに移設することができず消えてしまったので、ここに加筆して再録。(必ずしもこれが正解ということではなく、同好の方から教えていただいたことも含め、あくまでも自分流のやり方。)
【8軸シェブロン】
1)飾り巻きを巻く範囲を決めて、基準点をマーキングする。(写真は、下巻きをしてコーティングした上に、油性ペンで1センチピッチでマーキングしている。)
2)1)でマーキングした一番右の基準点から、右から左に向かってクロスで巻く。この時、まず奥から手前へ1本、次に手前から奥へ1本と巻き、同じ面の4個左の基準点の上で(つまり、同じ面の基準点の上を「3個飛ばし」で)クロスさせる。
※この時、この一つ目の基準点が分かるように、何か印をつけておく。次の写真の右端、青いビニールテープの左辺りで、黄色のスレッドのクロス部分が黒くなっているのがそれ。(この部分は飾り巻きの最後に留め巻きをして隠れてしまうので、マーキングに使った油性ペンで塗っている。)
3)同様に、次(ひとつ左)の基準点からクロスで巻く。この時、必ず2)の青字と同じ順序に巻く。(奥→手前、手前→奥の順序は逆でもOKだが、一度決めたら必ず次以降も同じ順序で巻く。)
4)残り二つの基準点からも同じようにクロスで巻くと、このようにウロコ模様になるはず。
※この時点で全ての交点が一直線、かつ等間隔になるよう、飾り巻きの長手方向に定規を当てながら(定規を8回=だから8軸)、スレッドを調整する。ここが綺麗に揃っていないと、後になればなるほどそのズレが目立って見苦しい(何度も経験済 )。
5)ここからはスレッドの数を増やす作業。一つ目の基準点から、先に巻いたスレッドの左側に添わせるようにクロスで巻く。(写真の青色のスレッド。ここでは2本巻いている。)
6)同様に手順2)から4)を繰り返す。
※手順2)から4)の1サイクルが終わるごとに、スレッドの間にできた隙間を詰める。具体的には、クロスしたポイントごとにスレッドを左から右(左上から右下、左下から右上)に押すのだが、この時、力を入れすぎるとスレッドが擦れて切れてしまうので注意。(使う道具は人それぞれだが、私はずっと木製の定規を使っている。冒頭の写真に写り込んでいるのがそれ。)
※スレッドのテンションは、強すぎる(張りすぎる)とスレッドが動きづらく、隙間を詰める作業が難しい。一方、テンションが弱すぎると、良くも悪くもスレッドが動きやすいので、隙間を詰めようとスレッドを押した時に隣のスレッドを跨いでしまったり、隙間を詰めたつもりでもそこがまた緩んでしまう原因になる。この辺りの力加減はなかなか難しいところ。
7)巻き終わったら両端を留め巻きし、余分なスレッドを切る。この時、両端を留め巻きした後で一度全体にカラープリザーバーを塗り、乾燥させてからスレッドを切る(要するに、巻き目を一旦固めてしまう)と、巻き目が緩んでしまうのを防げる。(スレッドを切った時に巻き目が一斉に「ブンッ」と緩む音は、飾り巻きをやっていて一番聞きたくない音 )
8)全体をコーティングして完成。(飾り巻き部分に凹凸や段差が多いので、一度で仕上げようとせず、薄く、何回かに分けてコーティングする。)
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以上がもともとホームページに載せていた写真だが、あまりにも画質が悪いので、最近巻いた例も再掲。(最後の縦向きの写真だけはコーティング後。)
飾り巻き部分の前後も含めた写真は、例えばこちら(コーティング前)とこちら(コーティング後)。
どこかに書いたかも知れないが、そのきっかけは、もう20年近くも前、「サンスイ」の店頭で「フィッシャーマン」のGTロッドに施された飾り巻きを見たことだった。今はどうか分からないが、当時はこの巻き方を解説している本やサイトもなく、売り場のロッドの前にしゃがみ込んで、どうやったらこうなるんだろう???とひたすら観察していた。ある時ようやく閃いて、家でやってみてウロコ模様ができあがった時の嬉しかったこと・・・。
前置きが長くなったが、この8軸シェブロンを含め飾り巻きの解説をいくつか載せていたホームページが、サービス終了までに移設することができず消えてしまったので、ここに加筆して再録。(必ずしもこれが正解ということではなく、同好の方から教えていただいたことも含め、あくまでも自分流のやり方。)
【8軸シェブロン】
1)飾り巻きを巻く範囲を決めて、基準点をマーキングする。(写真は、下巻きをしてコーティングした上に、油性ペンで1センチピッチでマーキングしている。)
※マーキングは、ブランクの四面(0度、90度、180度、270度)、最低でも二面(0度と180度、つまり表と裏)に行う。その際、写真のようなポストイットをブランクにぐるりと巻いて、位置を決めると便利(詳細はこちらへ)。
2)1)でマーキングした一番右の基準点から、右から左に向かってクロスで巻く。この時、まず奥から手前へ1本、次に手前から奥へ1本と巻き、同じ面の4個左の基準点の上で(つまり、同じ面の基準点の上を「3個飛ばし」で)クロスさせる。
※私は左手にスレッドを持って、右から左に巻くのがやりやすいからだが、勿論スレッドを右手に持って、左から右に巻くのでもOK。
※この時、この一つ目の基準点が分かるように、何か印をつけておく。次の写真の右端、青いビニールテープの左辺りで、黄色のスレッドのクロス部分が黒くなっているのがそれ。(この部分は飾り巻きの最後に留め巻きをして隠れてしまうので、マーキングに使った油性ペンで塗っている。)
3)同様に、次(ひとつ左)の基準点からクロスで巻く。この時、必ず2)の青字と同じ順序に巻く。(奥→手前、手前→奥の順序は逆でもOKだが、一度決めたら必ず次以降も同じ順序で巻く。)
4)残り二つの基準点からも同じようにクロスで巻くと、このようにウロコ模様になるはず。
※この時点で全ての交点が一直線、かつ等間隔になるよう、飾り巻きの長手方向に定規を当てながら(定規を8回=だから8軸)、スレッドを調整する。ここが綺麗に揃っていないと、後になればなるほどそのズレが目立って見苦しい(何度も経験済 )。
5)ここからはスレッドの数を増やす作業。一つ目の基準点から、先に巻いたスレッドの左側に添わせるようにクロスで巻く。(写真の青色のスレッド。ここでは2本巻いている。)
6)同様に手順2)から4)を繰り返す。
※手順2)から4)の1サイクルが終わるごとに、スレッドの間にできた隙間を詰める。具体的には、クロスしたポイントごとにスレッドを左から右(左上から右下、左下から右上)に押すのだが、この時、力を入れすぎるとスレッドが擦れて切れてしまうので注意。(使う道具は人それぞれだが、私はずっと木製の定規を使っている。冒頭の写真に写り込んでいるのがそれ。)
※スレッドのテンションは、強すぎる(張りすぎる)とスレッドが動きづらく、隙間を詰める作業が難しい。一方、テンションが弱すぎると、良くも悪くもスレッドが動きやすいので、隙間を詰めようとスレッドを押した時に隣のスレッドを跨いでしまったり、隙間を詰めたつもりでもそこがまた緩んでしまう原因になる。この辺りの力加減はなかなか難しいところ。
7)巻き終わったら両端を留め巻きし、余分なスレッドを切る。この時、両端を留め巻きした後で一度全体にカラープリザーバーを塗り、乾燥させてからスレッドを切る(要するに、巻き目を一旦固めてしまう)と、巻き目が緩んでしまうのを防げる。(スレッドを切った時に巻き目が一斉に「ブンッ」と緩む音は、飾り巻きをやっていて一番聞きたくない音 )
8)全体をコーティングして完成。(飾り巻き部分に凹凸や段差が多いので、一度で仕上げようとせず、薄く、何回かに分けてコーティングする。)
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以上がもともとホームページに載せていた写真だが、あまりにも画質が悪いので、最近巻いた例も再掲。(最後の縦向きの写真だけはコーティング後。)
飾り巻き部分の前後も含めた写真は、例えばこちら(コーティング前)とこちら(コーティング後)。
飾り巻きを調べても丁寧に解説してくれているところがなく、参考書も探したのですが見つからずに困ってました。
材料は買っちゃったのに...(;^_^A
そんな時にここを見つけることができ、ようやく次に進めそうです
ありがとうございました。
8軸シェブロンは、巻き方はシンプルですが、
スレッドの色や数の組み合わせでいろいろと
バリエーションが楽しめると思います。
頑張ってください!
飾り巻きというと割とブランクを隠す感じで
糸を巻いていることを感じさせないものが
多いですが、シェブロンは美しい
鱗模様のようですね。
しかも、一部ブランクが見えるように巻ける
なんて変幻自在・・・。
思いついた人も、巻ける人もすばらしい。
こうして残っていくことも。
ホント、この巻き方を最初に考えた人はスゴイですよ。
私も複雑な模様は全然ダメなのですが、このシェブロンは
巻き方はシンプルですが、色の組み合わせは自由自在ですし、
しかも意外に綺麗な菱形や山型の模様を出すのは難しいので、
なかなか奥が深いです。
って、たまにしかやらない私が語るのもなんですが・・・