これは私だけではないと信じますが、随分以前に買っていたために、どこでどう知って買ったのか自分でももはやよく思い出せない本が、時々本棚のなかに見つかります。
この本もそんな1冊。
アメリカで優れた児童文学に贈られるニューベリー賞(Newbery Medal)を1999年に受賞した作品です。
児童文学と言っても、子供向けと言うよりは、日本でよく言われるヤングアダルト向けと言うべきでしょう。大人になるとは、生きるとは、友だちとは・・・。
かと言って、決して堅苦しいものではありません。個性的なキャラクターが揃ってしますし、特に自分の子供の頃を思い出して思わずクスッと笑ってしまうような、そんな愛すべき1冊。それでいて実に深い、心にじんと染み入るお話です。
のっけから複数のプロットが並行して進んでいき、最後には圧倒的なスピード感でそれが収斂します。見事としか言いようがありません。
英語もとても平易で、辞書も引かず、どんどん、サクサク読めます。これこそまさに a page turner。
もう随分前のことになりますが、私が洋書で初めて児童文学を読んだのはミヒャエル・エンデの『モモ』の英語訳でした。今回はその時以来のワクワク感、心がほんわりと温かくなるような気分に浸っています。
調べてみるとこのニューベリー賞受賞作品だけでもかなりの本が出てくるので、ちょっと辿って探してみようと思っています。
Louis Sachar,
Holes
(Yearling Books)
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