リチャード・ハルの The Murder of My Aunt(1934年)読了(邦題『伯母殺人事件』)。
早くに両親を亡くし、伯母に育てられたエドワード。育ての親でもあり財布の紐を握られているので仕方がないとは言え、この伯母がとかく口うるさくてたまらない。伯母さえ死ねば遺産は全て自分のものと、エドワードはついにこの伯母を亡き者にしようとする。果たしてその首尾は・・・?
予め犯人が明らかにされ、その犯人の視点からストーリーが展開される倒叙小説というスタイル。本作は、以前読んだフランシス・アイルズの『殺意』、F・W・クロフツの『クロイドン発12時30分』とともに三大倒叙小説と呼ばれるそうだが、個人的にはこれが一番面白かった。
あまり言うとネタバレになってしまうが、それは最後の最後、本当に最後の一文まで気を抜けない面白さ。それでいて、どことなくブラックなユーモアも感じられて、読み終わると何とも言えない「してやられた感」でいっぱいになる。脱帽。
Richard Hull,
The Murder of My Aunt
(Kindle)
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