メキシコに居る友人(ドン・ホセ君)が久しぶりに一時帰国して、会社帰りに会ってきました。それで、3年ほど前に彼がメキシコに発つ時にはパックロッドを組んで餞別に贈ったのですが、期せずしてそのロッドが手元に戻ってきました。理由は簡単、折れてしまったからです。
折れたのは4ピース目(ハンドル部)の先端で、印籠の継ぎ芯の境目辺りでぱっくり割れたようになっています。
状況はどうあれ、折れてしまったものはどうしようもないので、使えるパーツを取って再度組むつもりでいます。と言うのも、このロッドはかの地で相当活躍したようで(それはコルクグリップの汚れ具合からも見て取れます)、持ち主のドン・ホセ君からは「全く同じ作りで良いので」もう一度組んで欲しいと言われたからです。これは作り手としては冥利に尽きる訳で、早速ガイドをバラしに掛かっています。
それにしても、3年ぶりに里帰りしたロッドを見て改めて思いましたが、私は何とヘタクソなんでしょう。
勿論、数々の魚との格闘でガタが来ているところもありますが、それ以前に、ガイドを巻いたスレッドの糸目の不揃い、トリムの巻き初めと巻き終わりの位置の甘さ、ガイドフットの段差の処理のお粗末さ、飾り巻き部分のコーティングの凸凹さ加減、などなど、挙げればいくらでも粗が出てきます。こんな作りで人様への贈り物にするなど、身の程知らずも甚だしい。汗が出てくるのを通り越して、自分の思い上がりに腹が立ってきます。
こんなロッドは出来ることならこの世から抹消したいくらいですから、折れて手元に戻ってきてちょうど良かったのかも知れません。勿論、その時点では精一杯の技術で組んだロッドですが、こうして時間を置いて見てみると、やはりまだまだ技術が弱いと痛感せざるを得ません。これは自分にとってはいい薬だったような気がします。
という訳で、思考のプロセスは若干ややこしいのですが、結論から言えば、「今度こそもっとマシなロッドを組んでやろう」とやる気満々です。ちょうど次に何を組もうか考えていたところですし、迷わずこのパックロッドのVersion 2に取り掛かろうと思います。
今度のテーマは「自分に厳しく」、これに尽きます。
期待しといて下さい。
ジャストの76・4ピースでしたよね。
アタシも同様にオーダーで組んだ同じブランクの3ピース目が破損した事がありまして、その時はパーツで取れたように記憶しています。
ファイブコアになってからは分かりませんが、もしかしたらパーツで取れるかも知れませんよ。
それにしてもバックオーダーを頂けるってのは嬉しい出来事ですね。
期待してますね。
1ピース目は粉々になってメキシコに置いてきたので、
結局そのまま生かせるのは3ピース目しかないのです。
その3ピース目も、糸目を見るとあまりのヘタさに腹が立つので、
いっそブランクそのものを新調しようと思っています。
今回は人から「ヘタクソ!」と言われるよりも腹が立ったので、
気合を入れて頑張ります。いくつかポイントがありそうなので、
そこはまた組みながら考察していきたいと思っています。
道具としての竿に装飾の美がちゃんと一体化してると思いますょ。
持てる技術生一杯の竿は何時見ても感動しますょ。
手抜きしまくりのオイラです・・・
でも、自分の至らなさは自分が一番良く分かっています。
もっとギリギリのところで勝負出来るはずなのに、
「これでいいや」と思って妥協してしまったり・・・。
今回は珍しくショックが大きかったので、
一度初心に帰ってやり直そうと思っています。
彼はメキシコに行ってからバス釣りを始め、何十匹釣ったか分からないと言ってました。
この長さ(7'6")のパックロッドはアメリカやメキシコでも珍しいらしく、
現地でたくさんの人に「その竿はどこで買えるの?」と聞かれたそうです。
作り手冥利に尽きますね。