レイモンド・ポストゲイトの Verdict of Twelve(1940年)読了(邦題『十二人の評決』)。
ある事件の裁判のために集められた12人の陪審員。冒頭まずこの12人の過去や来歴が(読者にだけこっそりと)明かされる。それはひどい人、ヤバイ人、気の毒な人、どうしようもない人・・・要するにいずれもできればそっとしておいてほしい人ばかり。それがよりによって殺人事件を審議するというのだから皮肉なもの。
その出だしの面白さに期待が高まりすぎたのか、事件のトリック自体はあまりピンと来ず。ただ、人が人を裁くことの限界については(良い悪いではなく)考えさせられるところが多かった。
このところニコラス・ブレイク(『野獣死すべし』)、マージェリー・アリンガム(『判事への花束』)、マイクル・イネス(『ある詩人への挽歌』)と続けてきた英国モノを一旦離れ、次はアメリカ、ハードボイルド行きます。
Raymond Postgate,
Verdict of Twelve
(Kindle)
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