コーネル・ウールリッチの Waltz into Darkness(1947年)読了(邦題『暗闇へのワルツ』)。
ニューオリンズの実業家、ルイス。その日は、文通で知り合ったジュリアという女性が、彼と結婚するために船でやって来る日だった。船着き場で首を長くして待つルイス。ところが、写真で見知ったジュリアの姿はどこにもなく、そこで彼に声を掛けてきたのは、写真とは似ても似つかぬ若い美女だった。送った写真は姉のものだったと釈明するジュリア。不審に思いながらも得意の絶頂で結婚式を挙げたルイス。しかしほどなく、事態は思いもよらない方向に回り始める・・・
ミステリーというよりは、ダメ男の転落と破滅の物語、とでも言おうか。テンポよく進む話はなるほど映画向き(映画『ポワゾン』の原作)。人物や心理描写はしつこいくらい丁寧で、それだけに結末の哀しさが引き立つ。
Cornell Woolrich,
Waltz into Darkness
(Kindle)
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