龍の尾亭<survivalではなくlive>版

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5月14日(土)のこと<公務員の原発事故避難への非難と処分>

2011年05月14日 00時36分03秒 | 大震災の中で
>原発事故後に有給休暇を取ったとして
>茨城県土浦市が職員3人を処分したことが、
>論議を呼んでいる。

詳細はこちらの記事を。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110511-00000006-jct-soci

細かい事情は分からないが、公務員には基本的に理由を問わず自由に有給休暇を取る権利があり、他方、上司には必要と認めた場合には業務命令を出してそれを変更するよう求めることができる、と理解している。

要は仕事なんてバランスの問題みたいなところがあって、歯車の一人がいなくなったからといって、必ずしも仕事が立ちゆかなくなるとは限らない。
ただ、じわじわと周囲に影響を及ぼし、疲労やストレスが蓄積して仕事のクオリティが低下する要因にはなるだろう。

前段で休暇が受理されている以上、緊急業務であることを十分考慮して上司が受理したのかどうか、から検討されるべきだ。

優先順位が順当ではない処分だと感じる。

まあ、自分のことに引き比べて考えてみると(特に緊急時というのは個々に事情が異なるので、漠然とした感想程度になりますが)、たとえば勤務中に事故やさしせまった危険が身に迫ってきた場合、顧客にその危害が及ぶ危険があることを認識しているにもかかわらず、自分一人で逃げてしまったら、処分云々をいう以前にもう自分自身の職業倫理として、その職は継続できない。

私の場合顧客が、保護されるべき年齢である、という点も大きいが。

上記の例でも、市内の建物の倒壊があったり、避難民を受け入れる緊急業務があったとなれば、公務員としては踏ん張りどころだと、基本、「公務員魂」的には盛り上がるところだ。

奥さんがパニックに陥った、との補足もある。
この場合は、けっこう難しい。奥さん+子どもだったら、静岡の親戚に送り届けて業務に戻る間、間に合わなければ年休取得も「あり」っぽい。

あとは奥さんの「パニック症状」の重症度にもよるかな。

さらに、ちゃっかり休暇的に5連休しちゃうのではなく、休む人も、平日年休取って休んだら休日出勤しましょうか、的な打診をしておくと良かったね、と思うのは日本人的「配慮」かなあ。

ただし、3月13日~15日の爆発を伴う福島第一原発事故の状況は、公務員ではあっても、危険を感じる瞬間はあって当然だ。職場を放棄しても逃げる、という確信犯だったのなら、周りが処分の妥当性を云々する意味も小さい。

他方、処分の実情が、「自分たちだけ休みやがって」的な恨み節や、市民向けに体面を取り繕って部下を率先処分、とかいうパフォーマンスだったら、困ります。

私の元同僚の中には(やはり公務員だけれども)震災以後、心の不調を訴えて入院加療に入ってしまった人が複数いますよ。公務員だろうが東電社員だろうが、自分や家族の具合が悪ければ、何があってもしっかりやすむべきだ。
他方、一端家族をつれて遠くに避難し、単身職場に戻ってきた人も多数。
私は家族だけ避難させて自分は年寄りの入院看護、で休暇、という形でした。

結局当たり前の話だけれど、状況による、よねえ。

ただし、基本権力を握っている人、状況定義力のある人は最後に逃げるべきだ。

どこまで何をしたら逃げたことになるのか、どこからどんな形で事態に参加すれば逃げないことになるのか。これも突き詰めるとそう簡単じゃないかなあ。

報道の内容とはほとんど無関係になってしまうけれど、「倫理」の問題も含めて、「私的」であることと「公共的」であることの関係についても、難しいですね。