『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

10年で日本社会激変!『80%が中流以下』

2015-02-26 08:07:07 | 日記

 

日本の消費者は、国民が気付かないこの10年で非常に大きく変化しました。このような大きな変化は、他の先進国では見られない現象です。これはもう日本独特の現象と言ってもいいと思います。翻って日本が10年間低迷している中、世界は激変し、もはや日本人の優位性は失われつつあります。今後、しっかりしたグローバル教育を子供の中学・高校・大学時代にしていかなければ日本人というだけではもはや通用しないでしょう。特に重要な修養は英語・表現力・歴史・地理・数学・体育などです。80%が中流以下ということは世界のエリートでは非常識な公立学校の教育を当たり前と考え普通に授業を受けていれば中流以下になり世界とりわけ成長著しいアジア圏内では置いて日本人のおきぼり感は深刻です。日本にいても今後春節・夏休みシーズンなどにお金を派手に使う裕福なアジアの人々を目にする機会が多くなり惨めな気持ちになるでしょう。国が教育に今後重点的にお金をかけなければいけないのは当然ですが、親の意識改革も必要です。子供をお荷物と捉えれば大変ですが、不安定な親の老後を支えてもらえると捉えれば見方が変わるでしょう。

 

以下コピー 最大の問題は、他の先進国はどこでも1人当たりのGDPが増えており、給料も増えているのに対して、日本の場合はもう20年間GDPも給料も増えていないということです。その結果、国民がそれぞれのセグメントにおいて、自分たちなりの生活防衛をし始めたのです。これがこれからお話しする消費者の変化の大きな背景です。

また、女性のライフコースが非常に多様化したことも大きな特徴です。従来であれば、ある程度の年齢になると結婚して子どもを産んで、子どもが大きくなったころにまた仕事に復帰する、というパターンでした。このパターンというのが非常にバラけてしまって、今では「○歳代の女性」という固まったセグメントを明確に把握するのが非常に難しい状況になっています。

それから、20年間デフレ環境が続いて、ほとんどの給与所得者の層で、約100万円の給与所得の減少が起こりました。年収1000万円を超える人、600万円を超える人、400万円台の人というほとんど全てのセグメントで、この15年くらいの間に100万円ずつ所得が下がってしまったのです。これは世界でも例がないことです。

ただその間にデフレがあったので、ある程度は生活が成り立っていて、大きく失業率が上がるとか街で暴動が起こる、といったことは起こっていません。皆、こうしたジワリと押し寄せてきた変化にうまく対応して表面的には平穏にやってきた。これが過去10年の日本の消費者の一つの傾向だと思います。

現在ビジネスをやっている人、特にB to Cをやっている方はこうした変化をしっかり理解していただき、見えにくくなっている消費者像をしっかりつかむ努力をしていただきたいと思います。

家計消費のピークは1990年代

図-1の左側のグラフを見ていただきたい。1世帯当たりの家計消費支出が、1990年代半ばをピークに減少しているのが分かります。1世帯当たりの可処分所得も同様の動きをしています。こういう国はOECDでも日本の他にありません。

日本は他の統計値についても1990年代半ばがピークでした。例えば就業人口、1人当たりGDPも1996年くらいがピーク。右側のグラフのように、平均消費性向も1960年代から徐々に下がってきて、貯蓄ももうこれ以上は増えないという状況になっています。

消費者を取り巻く5つの環境変化

図-2にまとめたように、この10年くらいの間に起こった消費者を取り巻く環境変化は、所得階層の変化、就業構造の変化、世帯構成の変化、年齢構成の変化、地域差の拡大の五つです。これだけのことがほぼ同時に起こったのです。

こうした変化は当然、消費者のライフコース、ライフスタイルの変化をもたらします。消費者の価値観が変化し、消費行動も変わってきています。これだけのことが短期間で起こると、従来のお客さんや従来のマーケットが消える場合もある。大きすぎる変化によって消費者が見えにくくなっているのです。

所得階層の“二極化”が進行。中流以下が80%超に

1990年代以降の消費者の一大特徴としては、図-3の「給与所得者の構成比の推移」からも分かる通り、所得階層の二極化が進行したことが挙げられます。その結果、最近では中流下位層(Lower-Middle Class)と下流層(Lower Class)で全体の8割を超えてしまいました。

Lower-Middle Class以下(年収300円超-600万円以下)のセグメントが、2012年時点で82.3%です。一昔前までは「1億総中流」と言われていましたが、今は違うのです。

日本人にとって、学校を出たらLower-Middle Classからスタートして、Upper-Middle Classで終わるというのが、憧れの人生だったわけです。Upper-Middle Classまでいくというのは昇進と昇給を前提にしています。これがなくなってしまった結果、Upper-Middle Classが非常に減ってきている。2012年時点で13.9%しか居ません。同時にUpper Classも減っています。

従って、これからはLower-Middle ClassとLower Class、彼らを中心にビジネスを考えないといけない。そうしないと82%のお客さんが見えていないことになってしまいます。

日本人というのは、なんとなくMiddle Classというところを中心に考える癖がありますが、今やそれはある種の虚構にすぎません。「私たちも、最後はUpper-Middle Classになりたいよね」と言うのですが、結局そこまで到達することができない、という人が圧倒的に多くなってしまったのです。

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