『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

慰安婦問題で、日韓最終合意「安倍晋三首相は角栄を超えた」

2015-12-29 08:16:43 | 日記

2015年、年の瀬押し迫って、岸田外相と韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相は28日、慰安婦問題を巡って会談し、合意に達し記者会見しました。韓国はいつもの通り合意文書作成を拒みあいまいな部分も残されていますが、今回は米国が仲裁に入っており今後、慰安婦問題を外交カード・韓国主導の記憶遺産登録に使うことは事実上出来ないでしょう。その意味では成功です。しかし、米国などに設置された慰安婦像問題や反日教育問題は依然残ります。ところで、安倍首相の自民党意識調査でついに田中角栄元首相や小泉元首相を追い越し歴代首相で評価ナンバーワンに上り詰めました。官邸はこの流れで一気に憲法改正と突き進みたいところですが、現国会議員のほぼ6割は憲法改正を急ぐべではないという意識です。与党自民党内部この状況ですからが国会議論にも影響を与え議員定数削減のようになかなか纏まらないと捉えたほうがよさそうです。

以下コピー 

元慰安婦支援のため、韓国政府が設置する財団に、日本政府が10億円程度を基金として一括拠出する。両外相は事業の実施を前提に、慰安婦問題が「最終的かつ不可逆的に解決される」と表明した。1990年代に外交問題化して以降、日韓両国が慰安婦問題で合意に達するのは初めてだ。

  最近、安倍晋三首相はすこぶる上機嫌である。理由はいくつもあるが、そのうちの一つは『朝日新聞』が実施した世論調査の結果である。

 正確に言えば「世論調査」ではない。調査の対象が自民党の党員・党友であったので「意識調査」である。実に興味深い調査結果が同紙の11月30日付朝刊に掲載された。

 憲法改正を党是とする自民党だが、回答した党員・党友1245人のうちの34%が「早く実現した方がよい」、57%が「急ぐ必要はない」だった。ところが、「歴代の自民党総裁の中で、最も評価する総裁は誰ですか。1人だけあげてください」という質問に対しての回答は、19%で改憲論の安倍総裁が第1位という結果となった。

 因みに、第2位(17%)は小泉純一郎で、以下第3位(16%)が田中角栄、第4位(5%)は中曽根康弘、第5位が(3%)佐藤栄作と池田勇人である。その他、大平正芳、竹下登、橋本龍太郎、小渕恵三、岸信介、三木武夫、麻生太郎、福田康夫が各々1%。

 安倍現総裁(総理)、小泉、田中両元総裁(総裁)の3人が断トツで、たとえ「現職バイアス」があるにしても安倍首相が堂々第1位となった。この結果は、同紙世論調査室も事前に予期していなかったとみえ、仄聞したところによると、報道・編集部署も仰天したという。

 同紙調査結果を踏まえて本記を書いた山下剛、円満亮太両記者の分析が、まさに興味深いのだ。以下、同記事を引用する。

 「今回の自民党員意識調査では、歴代総裁で安倍首相を最も評価する層と、田中角栄元首相を最も評価する層との間で、政策や党運営についての考え方に開きがあることがうかがえた。」

 その通りだと、筆者も思う。昨今の「角栄本ブーム」、例えば『田中角栄100の言葉~日本人に贈る人生と仕事の心得』(別冊宝島)が25万部を超えるベストセラーとなっていることからも、「英雄待望論」が現在の日本に根強く存在していることを示している。

 アベノミクスの成否、是非は別にして、現下の大都市と地方、大企業社員と非正規従業員などの格差が拡大する中で、確たる政治信念を抱く安倍首相が強いリーダーシップをもって進める「安倍政治」に不安を感じる、反発する、失望する人たちが「角栄的なるモノ」に惹かれるのだろう。

 まさに『朝日』記事にある「イデオロギー色の強い政策を掲げる安倍氏に対して、『日本列島改造論』を掲げた田中氏は公共事業を通じた富の再配分を前面に出し」たから、アンチ安倍が角栄贔屓に傾斜するというのは皮相な見方である。

やっぱり憲法改正に打って出るのか?

 「角栄政治」の本質は、やはりバラマキである。財政再建と経済成長の二兎を追わなければならない現在の日本にとって喫緊の課題はやはり経済・景気であり、海外の投資家も安倍政権の「コンシステンシー」、即ち経済優先主義の一貫性と政策の堅実性を見ている。

 そして長期政権による政治安定と経済再生を期待して日本株の押し目買いを続けてきたのだ。

 一方、『朝日』調査にあるように、「安倍評価層」では憲法改正を「早く実現した方がよい」45%と「急ぐ必要はない」44%が拮抗し、「田中評価層」では「急ぐ必要はない」57%に上ったことは看過すべきではない。

 リアリストである安倍首相は、この結果をきちんと胸に刻み込んでもらいたい。そして、来夏の参院選(場合によっては衆参ダブル選挙)が、仮に自民、公明両党が圧勝という結果になったとしても、在任中に憲法改正に打って出るようなことはないと思いたい。

 かつて安倍番だった先述の山下記者など当時の番記者数人が、記事掲載直後に首相公邸に招かれて酒食を共にしたと聞く。安倍首相はその席で終始上機嫌で、意気軒昂だったとも。危惧に終わればいいのだが。

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