「米大リーグ開幕戦、エンゼルス-アストロズ」が行われ、1対3でアストロズが勝利、大谷翔平は五回途中まで投げて1失点で敗戦投手となり、打っては4打数無安打だった。
大谷は4回途中で降板するまで1失点に抑えていたもののエンゼルスも得点できず、0-1のまま突入した終盤8回。アストロズがブレグマンとアルバレスの二者連続本塁打で2点を追加し、エンゼルスは3点ビハインドでその裏の攻撃を迎えた。二死から8番マーシュが死球で出塁すると、9番フレッチャーがセンターへのタイムリースリーベースを放ち、ようやくエンゼルスが1点を返した。 続く打者は大谷。今季から導入された、投打同時出場した先発投手が降板後もDHとして出場可能となる“大谷ルール”が適用され打者として出場を続ける大谷が、自らの負けを消す同点ツーランを放つという“大谷劇場”が期待された場面だった。勝負を避けることなく大谷に投げ込むネリスに対し、大谷もフルスイングで応える。そして5球目、内角高めを狙い打つと、角度のついた打球がライトに飛んだ。実況も「これは上がった!」と叫び、球場には悲鳴にも似た歓声が上がったが、打球は惜しくもスタンドには届かずライトフライ。総立ちになった観客からは一転、大きなため息が上がった。
大谷は18、20、21年に指名打者で開幕戦に出場しているが、投手としては5年目で初。米データ会社エライアスによると、1900年以降、異なるシーズンに野手と投手でシーズン初戦を迎えるのは1950年にジャイアンツの一塁手で、59年にオリオールズの投手でプレーしたジャック・ハーシュマン以来、63年ぶり13人目だという。
また、過去の開幕投手で前年の本塁打数がもっとも多かったのは1931年に9本塁打を放ち、32年に先発のマウンドに立ったインディアンスのウェス・フェレルだったが、昨季46本塁打の大谷が90年ぶりに記録を更新することになる。開幕戦で先発投手が1番打者を務めるのは、史上初めてのことだ。エンゼルスの先発メンバーに、指名打者(DH)はおらず、メジャーで初めて開幕投手を務める大谷は、今季改正された「大谷ルール」により、降板後はDHとして出場を続けた。
②開幕戦に二刀流で先発出場し、2戦目に「1番・DH」で先発という超人ぶりを見せた大谷は1点を追う初回、アストロズの先発右腕・オドリッジが投じた外角の落ちる球をうまくとらえ、右手一本で振り抜いて中前にはじき返した。一塁へ到達するとホッとしたように笑顔を浮かべた。