ウクライナ国家安全保障・国防会議のダニロフ書記は、ロシア軍が同日朝、東部のドネツク、ルガンスク、ハリコフの3州で攻勢に乗り出したとの認識を示した。又、ゼレンスキー大統領は「ロシア軍は長い間準備を進めてきたドンバスの戦いを始めた」と述べた。ロシアは首都キーウ制圧失敗後、ドンバス地方全域の支配拡大を目指し、兵力増強を進めていた。紛争はロシア軍の失敗に終わった首都キーウ(キエフ)攻防に次ぐ重大局面に入る。 ロシア軍は東部制圧に向けた部隊再編を完了。航空機の飛行回数が1.5倍以上増え、空爆が増強された。ロシアのウクライナ侵攻が新たな局面に入る中、せめぎ合いが増している。米国防総省によると米軍はウクライナ軍に対し、東部ドンバス地域などでの戦いで有効とされる打撃力の強いりゅう弾砲の使用訓練を数日以内に開始する見通しで、側面支援を急ぐ。ロシア軍が包囲するウクライナ南東部マリウポリの製鉄所に、ウクライナ軍とともに1000人を超える民間人も潜んでいると市当局者が明らかにしました。マリウポリの市議会は18日、マリウポリにあるアゾフスタリ製鉄所の地下シェルターに、1000人を超える民間人が潜んでいるとSNSに投稿しました。
ほとんどが子どもや老人を連れた女性たちだとしています。アゾフスタリ製鉄所には地下に爆撃に備えたシェルターが設けられているとされ、ウクライナ軍のアゾフ大隊もマリウポリ防衛の最後の砦として立てこもっています。
②ウクライナの大統領府長官は18日、自身のSNSに「戦争の第2段階が始まった」と書き込んだ。クレバ外相は4月上旬、ドンバス地方の攻防について「数千もの戦車や装甲車両、戦闘機などが参加する第2次世界大戦のような戦いになる」と述べた。
ロシア軍は早期のキーウ攻略に失敗し、戦車約500両を失ったとされる。それでも世界の軍事力を分析しているグローバル・ファイアーパワーによると、ロシア軍の戦車保有総数は約1万2000両で、約2600両のウクライナ軍を大きく上回る。さらにドンバス地方はロシアに隣接しており、キーウ攻略の時のように補給が困難になることもないとみられる。
ウクライナ側はドンバス地方での戦闘激化に備え、戦車や戦闘機などの緊急供与を米欧に求めてきた。米国防総省のカービー報道官は18日の記者会見で、ウクライナに供与する「155ミリ榴弾(りゅうだん)砲」の訓練を数日以内に始めると明らかにした。