ロシアの独立系世論調査機関レバダ・センターは、ウクライナへの侵攻開始後に実施したプーチン露大統領に関する調査結果を発表した。支持率は83%で前回調査から12ポイント上昇したという。
調査は3月24日から30日にかけて実施された。プーチン氏だけでなく、政府や政権与党の支持率も急速に上向いた。ウクライナでの「特殊軍事作戦」に関する調査でも81%が支持した。反対は14%だった。ウクライナ東部のロシア系住民の「解放」を支持理由に選んだ回答が最も多かった。
侵攻の実態を報じさせない政権による情報統制が影響した可能性がある。2014年のウクライナ南部クリミア併合の際にもプーチン氏の支持率は急上昇した。米紙ニューヨーク・タイムズによると、当時と比較して「今回は犠牲者が出ており、結末もわからない。国民に高揚感はない」と指摘した。それにしても西側諸国の国民感情とは開きがあり過ぎで、ロシア内部からの崩壊は希望的な観測なのかもしれない、事態がはっきり好転するまで、制裁を継続させることが重要でしょう。
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ウクライナへの侵攻を理由に西側諸国がロシアに科した大規模な制裁措置により、ロシアは閉鎖経済に回帰し始めており、リセッション(景気後退)に追い込まれると、米財務省の高官が1日、匿名で述べた。 記者団に対し、ルーブルは対ドルで回復しているものの、ロシアは急激なインフレ、輸出の減少、物資の不足に苦戦していると指摘。ルーブルの回復は市場原理によるものではなく、厳格な資本規制および外為規制によってもたらされているとした。 また、ロシア政府が実施している外為規制はルーブルの国際的な評価が需給によって決定されていないことを意味していると言及。ブラックマーケットではルーブルの価値が急落しており、金融商品としてのルーブルの危弱さを反映しているほか、国内の急激なインフレ高進はルーブルの購買力低下を示しているとした。 ルーブルの国際的な評価は、乏しい外貨を維持することを目的とした規制により、ロシア経済のパフォーマンスと切り離されているとし、協調制裁はロシア経済に非常に大きな打撃を与えており、国外のアナリストらはロシアの国内総生産(GDP)が今年約10%縮小すると予測していると語った。 その上で「ロシアが直面している経済的影響は深刻だ。インフレ高進が一段と高く、ディープリセッション(深刻な景気後退)が一段と深くなる一方だ」とした。 高官は、銀行やオリガルヒ(新興財閥)、主要な産業セクターへの制裁やロシアの重要な技術へのアクセスを断つ米国の輸出規制による累積効果によって、ロシアは冷戦時代のような閉鎖経済に追いやられると分析。ロシアはエネルギー商品や原材料の生産国であり、消費財やハイテク商品を独自に製造する能力がなく、「閉鎖経済として、ロシアは自国で生産したものしか消費できなくなり、厳しい調整になるだろう」とした。