持ち家、車所有、子供と月に1~2度は外食、年に一度は家族旅行……誰もが「そこそこやっていれば手に入る」と思い描いていた平均的=中流の生活を、令和の時代に手に入れられる人はごくわずかしかいない。30年前とは比べものにならないほど低下した”令和の中流”の生活新基準を探る!
厚生労働省発表の国民生活基礎調査より、現在の世帯所得の中央値に近い年収450万円の家族(夫婦+子供1人)が目指すべき“理想の家計簿”をシミュレーション。30年間給与が上がらない、日本は正直、子供を公立中学・高校にしか通わせることしかできず、新冷戦で世界事情が一変しない限り、負の連鎖が続きそうで恐ろしいですね。
◆世帯年収450万円、月30万円の理想の家計簿
手取り年収 353万円(税金・社会保険料97万円)
内訳/理想の比率/理想の金額
食費 /15%/¥45,000
住居費 /25%/¥75,000
水道光熱費/6%/¥18,000
通信費 /6%/¥18,000
小遣い /8%/¥24,000
教育費 /12%/¥36,000
趣味·娯楽費/2%/¥6,000
被服費 /3%/¥9,000
交際費 /2%/¥6,000
日用雑貨/2%/¥6,000
その他 /3%/¥9,000
保険料 /8%/¥24,000
貯蓄 /8%/¥24,000
支出合計 ¥300,000
◆【食費】令和の中流は1日500円が限度。野菜を腐らせたら計画が台無しに
手取り15%の月4万5000円が食費の目安となると、1人あたり1日500円以内が限度。中流は外でうかうかラーメンも食べられない。消費生活アドバイザーの和田由貴氏にスーパーでの買い物のポイントを聞いた。
「3人家族の1か月の食費の平均は7万8000円(’20年、総務省統計局「家計調査」より)。節約を相当意識しないと目標達成は厳しい。特売品を狙ってスーパーをはしごしたり、安いものを見つけて買うと節約した気にはなりますが、月末に予算が足りなくなる家庭が大半。家庭の食品ロスでダントツに多いのは野菜です。安いからと買っても日持ちせず無駄が出やすい。
スーパーでは野菜コーナーが入り口付近にありますが、まずは肉や魚など、メインのおかずとなる食材から買うのが節約の鉄則。そこから副菜を考えていけば、無駄な食材を買うリスクが減ります。その上で、例えば3日分の買い物をするなら1人1日500円×3人分×3日分で4500円と、より細かく食費の予算を割り出して買い物をすることが重要」
◆外食は激安チェーン…
また、予算管理の方法として和田氏が推奨するのは、食費を2:1に分けるメソッド。“2”は生鮮食品などその日の食材を買うお金、“1”は米や調味料などストック食材を買うお金と分けて考えることで予算に対する残額が見える化しやすいとか。
そんななかでもたまには外食したいところだが……「家族3人分の外食費までこの金額から捻出するのは無理がある」(和田氏)とか。家計簿の「趣味・娯楽費」や「被服費」を削り、1人1000円程度で激安チェーンに行くくらいしか外食での団欒は実現できそうもない……。