ドンバス地方での大攻勢でロシア軍は国民に勝利を示したいところですが、英国BBCは「東部戦線のロシア軍の総攻撃はウクライナ軍
の反撃で足踏みしている」と伝えており、「世界最高のスナイパー」やマリウポリの「捨て駒」の守備隊はロシア軍の戦闘力を分散さ
せ、主戦場で戦うウクライナ軍本隊を助けているのは間違いない。
「現代のカレー守備隊だ…勇敢だが恐ろしい」
こうした状況を伝えた英国BBCのツイッターに次のようなリツイートが目を引いた。「現代のカレー守備隊だ。とてつもなく勇敢だが
恐ろしい」第二次世界大戦初期の1940年5月、フランスのダンケルクから撤退する英仏軍を助けるために、近くのカレーでドイツ軍の
攻撃を英・仏・ベルギーの混合部隊が犠牲を覚悟で戦った「カレーの包囲戦」のことだ。この時ウィンストン・チャーチル英首相は
カレーの英国軍司令官にこう打電したという。「貴官らが存続している1時間、1時間がBEF(英海外派遣軍)にとって最大の支援
になっている。したがって政府は貴官らに引き続き戦闘を継続してもらうことを決定した。貴官らの置かれた崇高な立場に限りない
尊敬の念を送るものである。撤退は行わない(くりかえす「行わない」)。また撤退のための船舶はドーバーへ引き返させることと
した」この命令に従ってカレーの混合部隊がドイツの装甲師団の猛攻に耐えている間に、ダンケルクから33万人の英国とフランス兵
が撤退することができたが、混合部隊は戦死者300人、負傷者200人を出し3500人が捕虜となった。
一方現代のカレー守備隊と戦っているロシア軍は、財布が空っぽ。ロシアの外貨準備高6065億ドル(今月1日時点)のうちドルの比
率は約1割だ。数字上は約600億ドルを保有しているが、外貨準備は通貨ごとに各国の中央銀行に預けられている。ロシア中央銀行は
欧米から資産凍結されているため、ドルで支払う術がないに等しい。ロシアは海外から資金を調達できない。中国やインドなどが制
裁の抜け穴になっているとの指摘もありますが、そうした親密国がロシアから石油や天然ガス、金を買うことはあっても、ロシア国
内に投資を続けるかは疑問です。事実上、国際金融市場から締め出されたロシアは『鎖国経済』にならざるを得ない。5月4日のデフ
ォルトはある意味『既定路線』です。ロシアの外貨建てのデフォルトは、ロシア革命で帝政が崩壊した1917年以来、ほぼ100年ぶり。
以下抜粋コピー
サングラスを掛け、狙いすましたように銃を構える男性。カナダ出身のスナイパー、ワリ氏(40)です。
卓越した狙撃技術から、「世界最高のスナイパー」とも言われています。
ウクライナを支援している友人から連絡を受け、カナダに妻と幼い子どもを残し、先月、義勇兵として現地入りしました。
ワリ氏は、カナダ軍歩兵連隊の出身で、2015年にはイラクに渡り、イスラム国と戦った経歴を持ちます。
一日あたり最大で40人に死をもたらすとも伝えられ、その存在は、敵軍の兵士にとって大きな脅威と
なっています。しかし…。「世界最高のスナイパーと言われる、カナダ人の『ワリ』が、ウクライナで
抹殺された」 こうした情報が、ロシアのSNSなどから、世界中に拡散されていました。ところが…。
ワリ氏:「僕は生きている。そういうことなんだ。周波数などで位置が特定されるから。安全上の理由
から、スマートフォンなしで、最前線にいた」 ただ、カナダメディアの取材に応じたワリ氏は、あわや
という場面があったことを認めています。
ワリ氏:「ロシア軍とは、50メートルほどの至近距離で交戦し、その時点で、私たちの存在を知られた。
私はある家にいて、すぐ横の部屋を戦車の砲弾で撃たれたが、3メートルほど離れていたために助かった。
ラッキーだった」 危機一髪の状況から、奇跡の生還を果たしたワリ氏。当面はウクライナにとどまり
ロシア軍と戦う決意だといいます。
ワリ氏:「次にロシア側が『ワリは死んだ』と言った時、それは本当かもしれないが、誰も彼らを信じないだろう」