第五、事教二相章
(真言密教の教えは即身成仏の理をあかすにあり、修行方法は即身成仏の方法を示すにある)
真言密教の法門広大甚深なりと雖も事教二相を出でず。教理の令斎に両道あり。一つは顕密対弁門、二つは自宗不共門なり。
顕密対弁門は横には顕密二教の優劣を対弁し、竪には十住心の浅深を判釈して密教の無上真実なる所以を明かす。
自宗不共門は或は両部曼荼羅の法体を示し、或は三大円融の妙理を釈し、或は . . . 本文を読む
本朝高僧傳・続日本紀に見る法隆寺沙門行信
(行信は奈良時代の僧。天平十一年739,法隆寺東院伽藍を創建。同院には天平肖像彫刻の傑作行信僧都像を伝える。著書に『仁王経疏』『最勝王経音義』『略集諸経律論等中翻梵語疏』等。天平勝宝六年十一月,厭魅の罪で遠流に処された薬師寺僧行信と同一人物の可能性が高い。)
1,「本朝高僧傳・和州法隆寺沙門行信傳」
「釈行信、温良にし . . . 本文を読む