疫病退散には「空」を念ずること。
1、 古来、疫病退散に「仁王経」「金光明経」「般若心経」「請観音経」等が寺社で修法されたり読誦されてきましたが、それらは皆、「般若の空」を説いていました。その代表は「般若心経」ですから我々も各自、心経を読誦して再度この「空」を思い起こすべき時かと思います。
2・仁王護国般若波羅蜜多経は般若波羅蜜を受持講説することで、災難を滅除し国家が安泰となると説いています。大師はこの経等に基つ゛き東寺講堂に五菩薩(金剛波羅蜜、金剛薩埵、金剛宝菩薩、金剛法菩薩、金剛業菩薩)・五明王(不動明王、降三世夜叉明王、軍荼利夜叉明王、大威徳夜叉明王、金剛夜叉明王)・五方天(持国天、増長天、広目天、多聞天、梵天・帝釈天)を安置されました。また国に徳がなくなると鬼が種々の国難をもたらすとされており、この意味でも鬼に「般若の空」を説き聞かせることも経では含んでいるのではないかと思われます。
3・金光明最勝王経も、「空」を説き、この経を広めまた読誦して正法をもって国王が施政すれば国は豊かになり、四天王をはじめ弁才天や吉祥天、堅牢地神などの諸天善神が国を守護するとされる。
4・嵯峨天皇は大師に勧められて般若心経を書写され、その結果、「蘇生の族途に佇む」(心経秘鍵)というように大疫病が止みました。いまでも大覚寺に勅封般若心経として祀られており、この宸翰心経は霊験あらたかで天変地異の際に歴代天皇が、文字を削って金泥をつくり写経したり病気の時に削った文字の金粉を服飲してきたといわれています。
5・「請観世音菩薩消伏毒陀羅尼経」も疫病退治に読経されましたが、これも観音菩薩への祈りを説くとともに「汝まさに観ずべし、地大の地に堅き性無きが如く、水大の水にも性は住めず、風大の風も性の凝るとことなし。顛倒によりて火水の火に性ありとするは實ならずして因縁を仮て生ずるなり・・」等として空を説くものです。また疫病は種々の鬼が齎すとされており呪では除鬼を対象としています。鬼に空を理解させることも含んでいると思われます。
5,大智度論にも般若心経を読誦すれば病に罹らぬといっています。
大智度論巻八「病に二種あり、先世の業病と今世の不摂生病なり。・・・何の因縁をもってか病をうるや。答えていわく先の世にこのんで杖で打ち(鞭杖)ごう掠、閉じ込め(閉繋)をおこない種種に悩ますがゆえに病を得。・・・」
大智度論巻三「無功徳の人は生老病死の大海を渡ることあたわず。少功徳の人もまた渡らず。」
大智度論巻五十八「若し善男子善女人ありて般若波羅密多を受持しないし正憶念せばついに毒に中りて死せず。兵刃も傷つけず、水火も害せず、乃至四百四病もあたることあたわざるところなり。その宿命、業報を除く。」
1、 古来、疫病退散に「仁王経」「金光明経」「般若心経」「請観音経」等が寺社で修法されたり読誦されてきましたが、それらは皆、「般若の空」を説いていました。その代表は「般若心経」ですから我々も各自、心経を読誦して再度この「空」を思い起こすべき時かと思います。
2・仁王護国般若波羅蜜多経は般若波羅蜜を受持講説することで、災難を滅除し国家が安泰となると説いています。大師はこの経等に基つ゛き東寺講堂に五菩薩(金剛波羅蜜、金剛薩埵、金剛宝菩薩、金剛法菩薩、金剛業菩薩)・五明王(不動明王、降三世夜叉明王、軍荼利夜叉明王、大威徳夜叉明王、金剛夜叉明王)・五方天(持国天、増長天、広目天、多聞天、梵天・帝釈天)を安置されました。また国に徳がなくなると鬼が種々の国難をもたらすとされており、この意味でも鬼に「般若の空」を説き聞かせることも経では含んでいるのではないかと思われます。
3・金光明最勝王経も、「空」を説き、この経を広めまた読誦して正法をもって国王が施政すれば国は豊かになり、四天王をはじめ弁才天や吉祥天、堅牢地神などの諸天善神が国を守護するとされる。
4・嵯峨天皇は大師に勧められて般若心経を書写され、その結果、「蘇生の族途に佇む」(心経秘鍵)というように大疫病が止みました。いまでも大覚寺に勅封般若心経として祀られており、この宸翰心経は霊験あらたかで天変地異の際に歴代天皇が、文字を削って金泥をつくり写経したり病気の時に削った文字の金粉を服飲してきたといわれています。
5・「請観世音菩薩消伏毒陀羅尼経」も疫病退治に読経されましたが、これも観音菩薩への祈りを説くとともに「汝まさに観ずべし、地大の地に堅き性無きが如く、水大の水にも性は住めず、風大の風も性の凝るとことなし。顛倒によりて火水の火に性ありとするは實ならずして因縁を仮て生ずるなり・・」等として空を説くものです。また疫病は種々の鬼が齎すとされており呪では除鬼を対象としています。鬼に空を理解させることも含んでいると思われます。
5,大智度論にも般若心経を読誦すれば病に罹らぬといっています。
大智度論巻八「病に二種あり、先世の業病と今世の不摂生病なり。・・・何の因縁をもってか病をうるや。答えていわく先の世にこのんで杖で打ち(鞭杖)ごう掠、閉じ込め(閉繋)をおこない種種に悩ますがゆえに病を得。・・・」
大智度論巻三「無功徳の人は生老病死の大海を渡ることあたわず。少功徳の人もまた渡らず。」
大智度論巻五十八「若し善男子善女人ありて般若波羅密多を受持しないし正憶念せばついに毒に中りて死せず。兵刃も傷つけず、水火も害せず、乃至四百四病もあたることあたわざるところなり。その宿命、業報を除く。」