福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

枢軸時代

2016-07-07 | 法話
カール・ヤスパースは『歴史の起原と目標』で紀元前500年頃を中心とする前後300年の幅をもつ時代を「枢軸時代」と称して、
「この時代には、驚くべき事件が集中的に起こった。シナでは孔子と老子が生まれ、シナ哲学のあらゆる方向が発生し、墨子や荘子や列子や、そのほか無数の人びとが思索した、・・インドではウパニシャットが発生し、仏陀が生まれ、懐疑論、唯物論、詭弁術や虚無主義に至るまでのあらゆる哲学的可能性が、シナと同様展開されたのである、・・イランではゾロアスターが善と悪との闘争という挑戦的な世界像を説いた、・・パレスチナでは、エリアから、イザヤおよびエレミアをへて、第二イザヤに至る予言者たちが出現した、・・ギリシャでは、ホメロスや哲学者たち-パルメニデス、ヘラクレイトス、プラトン・・更に悲劇詩人たちや、トゥキュディデスおよびアルキメデスが現われた。以上の名前によって輪廓が漠然とながら示されるいっさいが、シナ、インドおよび西洋において、どれもが相互に知り合うことなく、ほぼ同時的にこの数世紀間のうちに発生したのである。」としています。

この枢軸時代が何故起こったかが分からなかったのですが胎蔵法の本尊呪のところではたと思い至りました。すべては繋がっていたのです。一人の偉人がでれば其の潜在的影響力は地下水脈を通じていたるところに吹き出るのです。

「一人成仏、山川草木悉皆成仏」といわれることや、融通念仏宗などで説く「一人往生すれば衆人往生し、一人成仏すれば衆人成仏する」ことはまさにすべてはつながっていることを言っていたのです。

さらに「時間」も過去現在未来が互いに融通無碍に入り込んでいると華厳経で説かれていることにおもい至りました。するとお釈迦様やお大師様はじめ諸仏は今現在まさにいきて我々の隣で衆生済度に獅子奮迅のおはたらきをされているのだと思い至り、あまりの有りがたさに涙してしまいました。

環境問題では我々の生活の仕方そのものが地球の将来をきめるという考えがやっと市民権を得てきました。これを敷衍していけば宇宙法界の中で、われわれが日常生活でなにを思い何をなしているかが他のすべてに影響していることがわかります。孤立した「個」はありえません。山中での一人の修行も凡ての人に影響します。

こうして修法している修法のしかたも凡ての人に影響するとおもうと粛然としたのでした。また今現在いたるところで修行に励んでいる行者さん方も心中で応援したのでした。
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