福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

「神儒仏道基一体論」改め、「神儒仏道基回一体論」・・1

2016-04-06 | 諸経
神儒仏道基回一体論・・1
1、儒仏道は一体であること。
大師は「三教指帰」で「儒童,迦葉はならびにこれわが朋なり」(儒童 (雪山童子(注3))、迦葉は同じお釈迦様の弟子としてこれわが友人である。すなわち儒仏道は一体である)とされています。これは『清淨法行經』等に、「仏は迦葉を遣わして老子とし、儒童(雪山童子)を遣わして孔子として(未開の地を)教化せしめた。」との趣旨があるのを踏まえたお言葉と思われます。

以下各論です。

🈩「老子化胡経(桑原 隲蔵)」には
「『須彌經』(『廣弘明集』卷十二(注1)に引く所による。大蔵経にはない。)「寶應聲菩薩化爲二伏羲一。吉祥菩薩化爲二女 一。儒童化作二孔丘一。迦葉化爲二李老一。」と記し『造天地經』(宋の羅泌の『路史發揮』に引く所による。大蔵経にはない)にも、次の如き略同樣の記事が見えて居る。
「寶歴菩薩、世間に下生して号して曰く伏羲と、。吉祥菩薩、世間に下生して號して曰く女 か、と。摩訶迦葉、號して曰く老子と。儒童菩薩號して曰く孔丘と。」
 又『清淨法行經』といふには、儒童菩薩(雪山童子)、を孔子に充て、光淨菩薩を顏子に、摩訶迦葉を老子に充ててある。『清淨法行經』は北周の道安已に之を引用し、『造天地經』は北周の甄鸞(ケンラン)これを引用し、『須彌經』は唐初の弘明 に引用されて居る。(注2)」。

(注1)唐の道宣が仏法擁護のために編集した廣弘明集(7世紀) には「『須彌圖經』に云く。寶應聲菩薩は化して伏羲となり、吉祥菩薩は化して女媧となり、儒童應して孔丘となり、迦葉は化して李老となる」と『須彌圖經』を引用していますが大蔵経には『須彌圖經』はありません)

(注2)・破邪論(唐初の僧、法琳が儒教道教を学んだ後仏教擁護のために著した。)には「内典「天地經」に曰く、佛は三聖を遣はして彼の東土を化す。迦葉菩薩は彼の老子と称す。 「清淨法行經」に云く、『佛は三弟子を遣して震旦を教化す。儒童菩薩は彼の孔丘と称し、光淨菩薩は彼の顏回といい、摩訶迦葉は彼の老子と称す ・・」

・摩訶止観(6世紀天台智)巻六にも「もし衆生に出世の機なく根性薄弱にして深化に堪えざるにはただ世の薬を授く。・・辺表の根性は仏の興るを感ぜず、われ三聖をつかわしてかの真丹を化せしむ・・」とある。


(注3)儒童こと雪山童子は『涅槃経』 に説かれる釈尊の前生。身投げして帝釈天から、「諸行無常、是消滅法、消滅滅已、寂滅為楽」 を聞いた。
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