釈宗演「観音経講話」にあった観音様の歌です
帰命頂礼観世音
昔は勝法明如来(正法明如来のこと、千光眼観自在陀羅尼経に「我往昔の時を念ずるに、観自在菩薩は我が前に於いて成仏し,号して正法明といい、十号具足す。我かの時に於いて彼の佛のために下りて苦行の弟子となり、その教化を蒙りて今成仏することを得たり。十方の如来はみな観自在の教化の力によるがゆえに妙国土に於いて無上道を得て妙法輪を転ず、この故に汝ら疑惑を生ずることなかれ、常にまさに供養すべし。」とある。正法明如来とはつまり成仏された仏としてこれから衆生済度に出かけられるまえの観音様の名のこと)
未来は光明功徳仏(観音様は娑婆の済度を終えたとき、今度は光明功徳仏というほとけになるとされる)
十大願の海深く(
大悲心陀羅尼経に「無南大悲觀世音
願はくは我れ速やかに一切法を知らんことを、
南無大悲觀世音 願はくは我れ早く智慧眼を得んことを、
南無大悲觀世音 願はくは我れ速やかに一切衆を度せんことを、
南無大悲觀世音 願はくは我れ早く善方便を得んことを、
南無大悲觀世音 願はくは我れ速やかに般若の船に乘らんことを
南無大悲觀世音 願はくは我れ早く苦海を越すことを得んことを
南無大悲觀世音 願はくは我れ速やかに戒定道を得んことを、
南無大悲觀世音 願はくは我れ早く涅槃の山に登らんことを、
南無大悲觀世音 願はくは我れ速やかに無爲の舍に會せんことを、
南無大悲觀世音 願はくは我れ早く法性身に同ぜんことを」とある。)
今この娑婆に示現して
生きとし生ける者のため
三十三に身を分けて(三十三身とは仏・辟支仏・声聞・梵王・帝釈・自在天・大自在天・天大将軍・毘沙門・小王・長者・居士・宰官・婆羅門・比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷・長者婦女・居士婦女・宰官婦女・婆羅門婦女・童男・童女・天・竜・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦楼羅・緊那羅・摩睺羅迦・執金剛)
十九の説法ありがたく(観音経では観音様は本来三十三身に変身されて説法されるが、お経の中では省略されて「而為説法」と十九回しか載せてないので三十三身十九説法という)
七難三毒みな滅し(火・水・風(羅刹)・王・鬼・枷鎖・怨賊難の七難と貪・瞋・痴の三毒)
二求両願も成就せり(観音経の中にある、端正で愛敬の有る男子や女子が授かること、男子は般若・智慧、女子は慈悲に譬えられる)
たとえばよろずの水澄みて
真如の月の映るごと
感応霊験あらたなり
聞くに観音普門品
もし人,現世は安穩に
後生も善処と思いなば
つねつ゛ね菩薩を念ずべし
念彼観音のその力
いかなる障りも除くなり
無量の福徳聚まりて
春の朝に啼く鳥も
秋の夕の虫の音も
畢竟、梵音・海潮音(梵音とは佛様の清浄な声、海潮音とは海の潮のように衆生のあらゆる機根に応じて説法される仏の声、)
聞声悟道の法のこえ
げにや仰ぐも愚かなり
さてまた行者の臨終は
蓮の台をささげきて
随願往生とげしめり
これこの菩薩を信ぜずば
渡りに船を忌むならん
しからば高きも賤しきも
童男童女にいたるまで
念々疑う心無く
誠に頂礼いたすべし
南無大悲観世音
おんあろりきゃそわか
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