「仏教では人の心を層に分かって教えている。人の心の一番底を第九識という。ここは一人一人個々別々であると同時に総ての人に共通でもあるのである。この第九識に依存して其の上に第八識がある。ここはその人の過去一切が蔵されている所である。外界はこの第八識の現れである。この第八識に依存してその上に第七識がある。其の現れが小我である。普通人は自分のからだ、自分の感情、自分の意欲を自分と思っている。これが小我である。理性は小我の外郭である。(注1)
人は大脳前頭葉の抑止力によって小我を抑止することが出来る。そうすると第七識を超えて第八識に住むことになる。これを真我といってよいと思う。そうすると人は死ぬものではないということがわかる。また自分と他との関係は非自非他であるということも分かる。これを阿頼耶識の悟りというのである。第八識とは阿頼耶識のことである。・・・」(「数学する人生・岡潔(注2)」)
- (注1)心の層は、六識(意識) 七識(末那識) 八識(阿頼那識) 九識(阿摩羅識)十識(真言宗ではさらに第十・乾栗陀耶識を立てる)
- (注2)「数学する人生・岡潔」では「日本数学史上最大の数学者・・多変数解析函数論において世界中の数学者が挫折した「三つの大問題」を一人ですべて解決した」といいウキぺデアでは「岡の原理」も世界的に著名、とする。