福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

涅槃について、2

2016-02-17 | 法話
お釈迦様のご一生
お釈迦様のご一生は八相成道といわれる8つの場面で説明されます。下天・託胎・誕生・出家・降魔・成道・転法輪・涅槃です。
「下天」とは 兜率天に下生されたこと。「託胎」とは、お釈迦様が衆生済度のため兜率天より白象にのり降りてきて、摩耶妃の右脇より胎内にはいられたことです。(「佛本行集経」) 
・「誕生」とはBC.463年4月8日ルンビニー(藍毘尼)で 浄飯王の摩耶夫人の右脇から出生されたことです。『修行本起経』卷上・菩薩降身品第二には、このときお釈迦様は天地を指されて「天上天下唯我為尊 三界皆苦吾当安之(宇宙では真理が一番尊い、三界は苦であり我が悟った真理のみが苦を抜くことができる)」とおっしゃったとあります。
・「出家」とは 四門出遊(舎衛城の東門で老人に、南門で病人に、西門で死者に会い北門で沙門に会われます。)の後29歳にして王子の地位を捨て修行生活を始められことです。
・「降魔」とは 成道直前に悟りを妨げる魔を下されたことです。大般涅槃経では、仏陀伽邪の菩提樹の下で禅定にはいったお釈迦様に対し、魔が美女や悪鬼の軍団の姿で押しよせたがお釈迦様は「官能におぼれて遊んでいるのは幼児がオムツで糞まみれになって喜んでいるようなものだ」とおっしゃったとあります
・「成道」とは仏陀伽邪で35歳の12月8日未明明星をみて悟りを開かれたことです。しかしこの内容が大問題なのです。このお悟りを追体験すべく古今東西のあらゆる高僧が厳しい修行をされてきたわけです。凡夫に分かるはずがありません。密教では曼荼羅でこれを表しているとしますが一般的にはこのときのお悟りは中道、縁起、四聖諦、八正道の四つの真理から成り立っているとされます。中道とは、端的にいうと二者択一の「あれかこれか」の極端な考えでなく「あれもありこれもあり」と穏やかにかんがえることです。四諦とは、苦諦・集諦・滅諦・道諦をいいます。このうち前二者は流転の因果を示し、後二者は悟りの因果を示します。八正道とは、正見、正思惟、正語、正業、正命、正精進、正念、正定の八種の徳です。このなかで中心は縁起だと思います。縁起とは、すべての主体客体が時間空間をこえ次元を超え相互に入り込んで無限に関係しているということ、自分は、時間的にも空間的にも、無限のいのちの集積であり、我々の「いのちとこころ」の織り成す霊妙な世界は無限の生死をふくんで宇宙曼荼羅を織りなしているということでしょうか。

・「転法輪」とは ヴァーラーナシーのサルナート(波羅奈国仙人堕処鹿野苑)で修行仲間の五比丘に初めて説法されたことです。「中道を行ずれば心即寂定、八聖道を修し生老病死の苦を離る、我すでに中道の行を随順して阿辱多羅三貘三菩提を成ぜり」と説かれたと「過去現在因果経」にあります。
・「涅槃」とはBC.383年 80歳の2月15日拘尸那掲羅にて仮の姿として滅を示されたことです。
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