五輪九字明祕密釋・・６

五輪九字明祕密釋・・６
一切衆生の色心の實相は無始本際より毘盧遮那の平等智身なり。色とは色蘊、開いて五輪と為す。心とは識大、合して四蘊と為す。是れ則ち六大法身法界體性智なり。五輪各の衆徳を具す。故に名けて輪と為す。體相廣大なれば稱して大の名と為す。五佛は自覺覺他の故に名けて佛と為す。五智は簡擇決斷の故に名けて智と為す。色は不離心なれば五大即五智なり。心は不離色なれば五智即五輪なり。色即是空なれば萬法即ち五智。空即是色なれば五智即萬法。色心不二なるが故に、五大即五藏（肺・肝・心・腎・脾）、五藏即五智なり。
圖云く、
梵字ァ、肝の藏は眼をつかさどる。　阿頼耶識・大圓鏡智・　寶幢佛・阿閦・　藥師　・發菩提心・東　・木　・春　・青
梵字ビ、肺の藏は鼻をつかさどる。　意識・妙觀察智・　轉法輪智・無量壽・　證菩提果・西　金・　秋・　白
梵字ラ、心の藏は舌をつかさどる。　末那識・平等性智・　華開華・寶生・　多寶・　行菩提行・南・　火・　夏・　赤
梵字カ、腎の藏は耳をつかさどる。　五識・成所作智・　不空成就・釋迦・　天鼓音・　入涅槃理・北・水・　冬・　黒
梵字キャ、脾の藏は口をつかさどる。　奄摩羅識（あまらしき）・法界體性智・　毘盧遮那佛　・具足方便・中央・　土用・　黄
已上、善無畏三藏の傳なり。
（以下は不空三蔵の伝）




a土。地。鎭星（土星）。中央。黄。土公。堅牢地神
vi水。水。辰星（水星）。北方。黒。水天。龍神。江河水神
ra火。火。熒惑星（けいわくしょう・火星）。南方。赤。火天。火神
h@u@m（カ）金。風。太白星（金星）。西方。白。金神。風天
kha@m（キャ）木。空。歳星（木星）。東方。青。木神。虚空天。空神
已上、不空三藏の傳なり。

A（ァ）自心發菩提。大圓鏡智。寶幢。阿閦。東方
@a（アー）即心具萬行。平等性智。華開。寶生。南方
a@m（アン）見心正等覺。妙觀察智。阿彌陀佛。西方
a@h（アク）證心大涅槃。成所作智。天鼓。不空。釋迦。北方
AM+uH（アーク）發起心方便。法界體性智。大毘盧遮那佛。中央

密嚴淨土理智不二の五佛五智は、金剛界に則して是れ胎藏五佛・五智なり。
Va（ヴァ）發菩提心。大圓鏡智。阿閦。寶幢
v@a（ヴァー）行菩提行。平等性智。寶生。華開
va@m（ヴァン）成菩提果。妙觀察智。阿彌陀佛
va@h（ヴァク）入涅槃理。成所作智。不空。天鼓。釋迦
vAM+uH（ヴァーンク）方便具足。法界體性智。大日如來

金剛界不二摩訶衍の五佛心王、是れ胎藏即ち是れ金剛界不二の五佛五智なり。此のva字の五輪を知るがごとく餘の字母も亦た復た如是。各具五智の故に亦た無際智（佛智）有り。
圓鏡力の故に實覺智なり。此を自心成佛と名ずく。若し行者、四時中間斷せしめず、眠に在っても覺にあっても觀智離れずして三摩地に順すれば、即身成佛此の生に難きにあらず。
Ra（ラ）・ha（カ）・kha（キャ）・・・肝
r@a（ラー）haa(カー)kh@a（キャー）・・・心
ra@m（ラン） 寶部五佛 ha@m（カン） 羯磨部五佛 kha@m（ケン） 虚空部五佛・・・ 脾　・・・行者觀
ra@h（ラク）　ha@h（カク）　kha@h（キャク）・・・肺
rAM+H（ラ―ンク）　hAM+H（カーンク）　khAM+H（キャーンク）・・腎