福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

阿字秘釈和訳 興教大師 其の五

2013-06-30 | 阿字秘釈和訳
八には不二大乗の三諦の義なり。本とは中なり。不とは空なり。生とは有なり。いわく自他の三密、事理の諸法、法然として互に無量の万徳を発生して以って衆生にあたえ、過恒の法門を顕示して以って群類を化す。機感の因縁より顕れ生ずれども実の生にはあらず、ここに生といふは即ちこれ有諦なり。ここに有といふは仮有にはあらず。本有の義、実有の義なり。空とは一切の諸法互いに円融渉入して無障無碍なること猶し空の如し。空は即ち不の義なり。これを知るべし。中とはかくのごとくの空有の二義一時に具足して相離れざるがゆえに。

九には本とは身密なり。身密とはこれ法体の故にまたこれ佛部なるがゆえに。不とは語密なり。空大とは即ち語密なりと、大師即身成仏義におおせられたるが故に。生とは意密なり。種々の巧用は心より出生するがゆえにまたこれ変化の義なり。即ちこれ大なるが故にと云々。

十には本とは体なり。不とは宗なり。生とは用なり。秘蔵記のごとし。この中の不とは空なり。空とは無碍なり。いわく自他共の三平等互相に渉入円溶して無障礙の義なり。余はこれを知るべし。(阿字秘釈終わり)
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